Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 1998: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Research Abstract |
[目的]1)MIBI SPECTで脳腫瘍患者における化学療法の効果が、治療前に予測可能であるか、2)脳腫瘍患者におけるTI SPECTとMIBI SPECTの半定量的解析を行って、MIBI SPECTが腫瘍の悪性度と相関関係にあるか否かを検討する。 [対象・方法]16名(Glioblastoma(GB):10,Anaplastic Astrocytoma(AA):3,Low-grade Astrocytoma(LGAS):1,Metastatic brain tumor(meta):2)に対し、同時期にMRI,TI SPECT,MIBI SPECTを行い、SPECTの半定量的分析を行って腫瘍の悪性度と比較した。(病変部と、対側の健常脳に関心領域を設け、その比をとってupatake index(UI)を計算、early imageとdelayed imageでそれぞれのUIとRetention Index(RI)=early UI/delayed UIを計算)次に、手術で摘出したsampleのRT-PCR,Northern blottingにてP糖蛋白(p170)をコードするmdrl mRNAの発現を、免疫染色を用いてP糖蛋白(p170)の分布を検索した。 [結果・結論]mdrl,Pgpの発現は、RT-PCRでは全例に、mdrl mRNAの発現を認めたが、Northern blottingではいずれも発現が見られなかった。免疫染色では、glioma細胞にPgpの発現はなかったが、正常脳と組織学的悪性度の低い部位の血管壁(endotherial cell)に発現を認めた。GBのendothelial proliferationには発現が見られなかった。すなわち悪性度が上がるに従ってこれらは減少するため、悪性脳腫瘍の薬剤耐性の主因とは考えづらく、化学療法の効果をMIBI-SPECTで予測するのは困難であった。 MIBIはpassive transportによって集積しPgpによって排出される事がin vitroの実験で言われているが、今回の結果はそれを支持するものであった。また、悪性度の予測という観点から見れば、Tl-SPECTではRIが、LGAS:0,AA:4.10±0.84,GB:5.71±3.47,meta:7.52±1.52、MIBI-SPECTではearly UIが、LGAS:0,AA:0.82±0.07,GB:1.12±0.40,meta:0.90±0.19で相関が見られ、良い指標になると思われた。
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