Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1998: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Research Abstract |
【はじめに】最近,脳損傷時のmicrogliaの果たす役割が注目を集めている.その中でもmicroglia由来の線溶系因子tissue type plasminogen activator(tPA)が,脳虚血損傷を増悪させることが明らかとなっている.今回我々はStriatum損傷後の同側substantia nigra pars reticulata (SNr)でのtransneuronal degenerationにおいてもtPAが関与しうるかをtPA遺伝子を欠損させたtPAknock-outmouseを用いて検討した.【方法】in vivo実験:それぞれ15匹のtPAknock-out miceおよびC57BL/6miceを用いて右striatumを中心にglobus pallidusにおよぶ電気凝固病変を作成した.病変作成後経時的に組織標本を作製し、anti-F4/80抗体,anti-GFAP抗体を用いた免疫組織化学染色を用いSNrにおける神経細胞変性について検討した.in vitro実験:マウスC57BL/6由来のmicroglia細胞培養を行った.培養microgliaをlipoolysaccharide(LPS),glutamate,microglia栄養因子であるmacrophage colony stimulating factor(MCSF)にて刺激を行い,培養液中のtPAの発現についてWestern blotting,microgliaのtPAmRNA発現についてRT-PCR法にて検討した.【結果】striatum損傷後7日、同側SNrでは反対側に比べtPA knock-out miceで36%,C57BL/6miceで26%減少,14日でもそれぞれ28%,26%の細胞数減少を示し、両者ともほぼ同程度の同側SNr神経細胞変性を認めた.tPAknock-out mice,CB57BL/6miceともにstriatum損傷後3日目より同側SNrにはF4/80(+)microgliaの出現を認め,7日目にはさらにmicrogliaは増加した.Microglia培養実験ではLPS,MCSF,glutamate投与によりtPA mRNA発現は認めるが、Western blottingではtPAの検出はできなかった.【結論】SNrでのtransneuronal degenerationにてmicrogliaが出現し,その病態にmicrogliaの関与の可能性が明らかとなった.しかし,microgliaは様々な刺激によりtPAを発現するが、tPA knock miceの実験よりSNrでのtransneuronal degenerationにはmicroglial tPAは直接関与していないことが明らかとなった.
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