脳局所一過性虚血に対する虚血耐性の誘導とそれに伴う細胞内分子機構の解明
Project/Area Number |
09771075
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Cerebral neurosurgery
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Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
柳本 広二 国立循環器病センター研究所, 病因部・脳血管障害研究室, 室長 (50281689)
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Project Period (FY) |
1997 – 1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1998: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | cerebral ishcemia / cortical spreading depression / rat |
Research Abstract |
脳の虚血性ストレスに対する生存能の増強現象(虚血耐性現象)はすでに報告されていたが、その殆どの報告は脳内でも特に脆弱な神経細胞群にのみ観察されたものであり、その他の部位の平均的な神経の生存能力に比べると絶対的にはまだ、弱いものであった。すなわち、虚血に対して非常に弱い神経群が生存能を増強し、やや弱い程度まで抵抗性を向上させるという程度の微弱な生存能増強現象であったと言える。本研究では長期間のCSDを前処置として用いることで、一過性局所脳虚血に対する脳梗塞に抵抗性を有する現象の有無を検討した。ラット脳を用いて高濃度塩化カリウム(KCl)持続脳内注入によるcortical spreading depression(CSD)を48時間に渡り生じさせた後、ポンプ抜去し、その後様々な待機期間を経て、局所脳虚血負荷を行ったところ、脳虚血負荷までの日数が増すにつれ、脳梗塞巣の体積は減少傾向を示し、12あるいは15日後に行った局所脳虚血後に生じた脳梗塞は前処置のない群あるいは生理食塩水注入群より有意に縮小した(平成10年度成果)。梗塞耐性の本態を探るべくCSDによる前処置の後、脳内でのGFAP Griaml fibrillaiyacidic protein(GFAP),heat shock protein(hsp)72,hsp27の発現変化を免疫組織学的に検討した。その結果、GFAPは前処置1日後よりグリア細胞内で著明に発現が増強し、その後も観察期間中発現増強は維持されていた。Hsp72は前処置後24日の観察期間中を通して明らかな発現は見られなかった。一方、HSP27は前処置1日後よりグリア細胞で検出され、その後、約12日間の発現増強の後、徐々に減衰傾向を示した。HSP27は脳梗塞耐性時期に明らかにダリア細胞で発現が増強されており、このことが強度虚血時の抵抗性増強に関与している可能性が示唆された。
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Report
(2 results)
Research Products
(10 results)