小児ARDSに対する一酸化窒素吸入療法の排ガス交換効果と長期追跡調査に関する研究
Project/Area Number |
09771172
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Anesthesiology/Resuscitation studies
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
濱口 正道 熊本大学, 医学部付属病院, 助手 (50274725)
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Project Period (FY) |
1997 – 1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 1998: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
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Keywords | 小児 / ARDS / 一酸化窒素吸入 / 一酸化窒素吸入療法 / 肺ガス交換効果 / 長期追跡調査 |
Research Abstract |
小児ARDSに対してNO吸入療法が酸素化を改善させるのか、改善させるならば酸素化に最も適した濃度はいくらか、1ppm以下の超低濃度でも酸素化の改善がみられるのか、動脈血炭酸ガス分圧に影響を与えるか、について検討した。対象は、modified ARDS score(Paulson,1995)>3.0の基準を満たした小児患者の内、従来の人工呼吸管理では酸素化の改善がみられず、親から文書による同意を得た上でNO吸入療法を施行した7例。NOは800ppmを含む窒素ボンベから供給し、化学発光測定装置を用いて人工呼吸器回路内のNOの濃度を測定した。16ppmの吸入でP/F(PaO2/FiO2)比が10mmHg以上上昇したものを有効とし、有効例には2〜8ppmで継続して開始翌日より0、0.13、0.25、0.5、1、2、4、8、16ppmとNO濃度を変えた時の動脈血酸素分圧及び動脈血炭酸ガス分圧の変化を測定した。いずれの症例も16ppmの吸入でP/F比が10mmHg以上上昇し、NO吸入療法は有効と判定した。2ppm以上のNO濃度において、P/F比、及び肺胞と動脈血の酸素分圧の差が、NO非吸入時と比較して有意に改善した。炭酸ガス排泄能もNO濃度依存性に改善している傾向があった。NOと酸素と反応して発生する二酸化窒素は、NO16ppmの吸入濃度でのみ0.1ppm以上検出された。P/F比の改善率について検討したところ、吸入前のP/F比と有意に相関がみられ、換気血流不均衡の改善の機序から考えると、正常の換気を保つ肺胞が多いほうがNO吸入療法が有効であることを示唆している。小児におけるNO吸入療法の安全性では、呼吸機能、神経学的発達、発育の経過においてNO吸入療法によると思われる問題は現時点では認められなかった。NO吸入療法が小児ARDSの生存率を改善させうるかどうかは、今後の検討課題として残された。
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Report
(2 results)
Research Products
(1 results)