Project/Area Number |
09771224
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Urology
|
Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
田口 圭介 札幌医大, 医学部, 助手 (70281235)
|
Project Period (FY) |
1997 – 1998
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
|
Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1998: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
|
Keywords | 自律神経 / 骨盤神経叢 / 解剖 / whole-mount染色 |
Research Abstract |
【目的】ここ数年骨盤外科領域において悪性腫瘍の根治手術の際にさまざまな神経温存術式が行われている。それにともない骨盤内自律神経路に関する詳細な立体的・解剖学的な位置関係の解明が求められている。本研究では、立体的・解剖学的位置関係を明確にできるマクロ解剖学の長所を生かしながらさらに組織化学的な手法を用いwhole-mount染色をすることにより骨盤内臓の自律神経の詳細な走行を明らかにするとともに各神経を構成する繊維の形態を比較することにより骨盤内の部位による神経機能の相違を確認することを目的とした。 【方法】死後6時間以内に病理解剖が行われた遺体より骨盤神経叢および直腸をen blockで採取し、Holt's液にて固定.Ach-iodideを用いwhole mount染色を行った。染色後、実体顕微鏡にて観察し、x11.3で写真撮影。computer graphic softを用い140枚の写真を合成し上下腹神経叢から両側骨盤神経叢および直腸膨大部後面に至るmapを作成しその神経走行について検討した。組織学的検索は実体顕微鏡下でwhole mount染色標本の各神経を正確に切除後パラフィン包埋しBodianおよびKluver-Barrera染色で行った。 【結果・考察】本whole-mount染色法により骨盤神経叢間交通枝を二経路(直腸後面および直腸前立腺間隙)で確認した。このうち直腸後面交通枝は形態学的に骨盤内臓神経と強く関係していた。またその存在部位と過去の臨床報告とを比較検討するとこの直腸後面交通枝が片側骨盤神経叢温存手術症例において膀胱機能維持に重要な役割を果たしている可能性が示唆された。また骨盤神経叢はその中に存在する神経節の種類により三部位に分けることが可能であり、それぞれの部位における神経節間神経の繊維構成は一定傾向の下で異なっていた。このことから骨盤神経叢の部分切除の際には、その切除部位によって術後の尿路生殖器系障害の種類や程度も変わりうることが考えられた。
|