ヒト精子の形態上の特徴とその生物学的・医学的意義に関する研究
Project/Area Number |
09771226
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Urology
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
山崎 尚 和歌山県立医科大学, 教養部, 助教授 (20212285)
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Project Period (FY) |
1997 – 1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 1998: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 1997: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | ヒト精子 / 形態異常 / 超微細構造 / ペプチダーゼ / ヒト / 精子 |
Research Abstract |
ヒト精子頭部に存在する極めて特徴的な構造が走査電子顕微鏡(SEM)により見出せる為、これを更に透過型電子顕微鏡(TEM)により観察し、精子の外部形態と内部形態の特徴の関連を調べた。本研究で注目しているのは、現在までSEM観察により17例の異なるヒト精液中7例で共通して見られた精子胴部付近の大きな突起である。7例中、2例についてSEMと同じ標本をTEMで観察したところ、1)胴部の突起内には大小さまざまな大きさの空胞が存在している、2)内部に一定の電子密度の内容物を持つ顆粒が少数存在する、3)精子頭部、また胴部の中心粒や鞭毛構造には目立った異常は存在しない、ことなどが明らかになった。このことはこれら異常が当初考えていた男性不妊の直接的原因ではないことを示唆している。なお、精液試料の提供を受けている産婦人科臨床医からはこれら形態異常の見られた精液提供者での妊娠の報告を受けている。今後は、前述の突起物内に見られる顆粒構造の正体(内部に何が存在するかなど)のを調べる為に電子顕微鏡レベルでの観察例を増やしたい。また形態異常と精子の機能との関連、更に臨床的には精子提供者の年齢や妊娠に必要な時間、また居住環境などとの相関も臨床医と協力をあおぎ調べていきたい。 多くの動物の精子にはペプチダーゼ活性が存在し、哺乳類でもマウスやハムスターでは同様の活性が見出せている(昨年度報告)。精子受精能や精子運動能との関連を調べることを目的として、これら活性についても更に分析を進めた。ハムスターにおいて副精巣から取りだし作成した精子懸濁液、capacitation処理した精子懸濁液の両方に人工基質であるArg-MCAやLeu-MCAを分解する酵素活性が存在し、更にこれらの活性はアミノぺプチターゼに対する阻害剤であるbestatinにより強く阻害された。しかし、現在までのところ、人工基質や阻害剤によるin vitro受精の阻害や運動能の阻害効果は見出せず、このペプチターゼ活性と精子機能との関連は明確でない。
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)