前庭感覚認識における前庭神経核ならびに視床の役割について
Project/Area Number |
09771353
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Otorhinolaryngology
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
松尾 聡 鳥取大学, 医学部, 講師 (40219390)
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Project Period (FY) |
1997 – 1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 1998: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | ネコ / 前庭神経核 / 視床 / 垂直半規管 / 興奮性ニューロン |
Research Abstract |
平衡感覚は身体が運動しているときや重力に対して傾いているときに起こる感覚で、前庭感覚や深部知覚さらに視覚が関与する複雑な感覚である.平衡感覚認識のための神経機構を知ることはめまいを生ずる種々の疾患の病態を理解する上で重要なことである。しかしその神経機構は未解明の部分が多い.今回の一連の研究は前庭感覚認識に関する神経回路を解明することが目的である.特に前庭神経核ニューロンの役割の解明に焦点を絞り研究を行った。 ネコを用いて無痛下に実験を行った.以下に実験結果を報告する. 1. 垂直半規官から入力を受ける前庭神経核2次ニューロンを同定して、その上行性の軸索投射を逆行性微小電流刺激法で調べたところ興奮性ニューロンは視床の腹側核群に投射していたが、視床に投射する抑制性ニューロンは同定できなかった. 2. 暗所で垂直回転刺激を加え、視床から細胞外記録をおこなったところ、上下の回転に応答するニューロンが記録できた。これらのニューロンの一部は迷路の電気刺激で2または3シナプス性の潜時で順行性に応答した.さらにこれら視床ニューロンの一部は大脳皮質の後十字陥凹、前シルビウス溝の電気刺激で逆行性に応答した。 3. 興奮性前庭神経核ニューロンの垂直回転刺激によって生じたスパイクをトリガーとして視床の腹側核領域の電場電位の平均加算をおこなったところ、単シナプス性陰性電位が検出された。以上の結果から興奮性前庭神経核ニューロンは直接視床に軸索を伸ばし興奮性シナプス結合しており、その情報は視床腹側核ニューロンを介して大脳皮質に伝えられると考えられた。これが前庭皮質路の最も短い経路の-つであると思われる。 4. 現在無麻酔覚醒ネコを用いてこの経路を構成するニューロンへの視覚、深部知覚からの入力の有無について実験を試みている.
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)