鼻粘膜局所免疫応答におけるマウス鼻腔関連リンパ装置(NALT)の役割に関する研究
Project/Area Number |
09771354
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Otorhinolaryngology
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Research Institution | Shimane Medical University |
Principal Investigator |
佐野 啓介 島根医大, 医学部, 助手 (10263542)
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Project Period (FY) |
1997 – 1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1998: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Keywords | 粘膜免疫 / マウス / IgA / T細胞 / RT-PCR / 鼻咽腔関連リンパ装置 / サイトカイン |
Research Abstract |
実験動物として雄性C57BL/6マウスを用い実験を行った。Hoarseradish peroxidaseを蛋白抗原としcholera toxinをアジュバントとして2週間隔日点鼻の後、経時的に鼻腔内抗原特異的IgAの測定を行った結果、感作終了より2週間目で最も高い値を示すことが示された。この実験結果をふまえ感作後2週間目のマウス鼻腔リンパ球の解析を試みた。マウスを全血脱血にて屠殺し、生理食塩水にて全身貫流した後、鼻腔を摘出し顕微鏡下に鼻腔粘膜を剥離採取した。パーコール濃度勾配を用い単核球を分離し、細胞表面マーカーの解析およびRT-PCR法を用いたm-RNAレベルでのサイトカインの発現を解析した。 細胞表面マーカーの解析結果:感作マウスと非感作マウスで特にT細胞マーカーについて比較検討した結果、αβTCR陽性細胞の割合が感作マウスで増加することが認められた。γδTCR陽性細胞は2群間で差を認めなかったものの、ともに10-15%と高い割合で認められた。 サイトカイン発現の比較:感作マウスと非感作マウスでRT-PCR法を用いIFN-γ、IL-2、IL-4、IL-5、IL-6、TGF-βについて解析を行った結果、IL-4、IL5はともに発現を認めなかったのに対し、IFN-γ、IL-2、IL-6、TGF-βは発現が認められた。β-actinを指標とし定量を行った結果、いずれのサイトカインも非感作マウスに比べ感作マウスにおいて強い発現を示すことが認められた。 これらの実験結果より蛋白抗原を用いて点鼻感作による抗原特異的IgA産生においてはT細胞、特にαβTCR陽性細胞が重要な役割を有し、サイトカインとしてはTh1由来のIFN-γ、IL-2、Th2由来のIL-5、IL-6、さらにTGF-βが重要な役割を有する可能性が示された。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)