Project/Area Number |
09771387
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Otorhinolaryngology
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
大山 義雄 日本医科大学, 医学部, 助手 (50281423)
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Project Period (FY) |
1997 – 1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 1998: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 頚部深部知覚 / 頚部誘発眼振 / 頚部振動刺激 / 前庭代償 / 三次元解析 / 深部固有受容器 |
Research Abstract |
前庭代償における頸部深部知覚入力の関与を検討するため、一側前庭機能障害後前庭の代償が完成された21症例の後頸部に周波数約110Hz、振幅約1mmの振動刺激を加え、誘発された眼振をコンピュータ画像解析システムにて三次元解析した。 その結果、全21症例のうち12例(57%)で水平、垂直、回旋の全3成分が認められた。水平成分は全症例に認められ、かつ健側向きであった。回旋成分は、右障害では時計回り、左障害では反時計回りであった。垂直成分は、症例により上向き・下向きが混在していた。3成分の平均緩徐相速度を計算し、3成分の緩徐相速度の構成比を求めると水平57%、垂直23%、回旋20%であり、水平成分が最大であった。しかしその比率に一定の傾向はなかった。また、頸部入力と前庭出力、とくに半規管出力との関連を検討するために、頸部誘発眼振の速度ベクトルを既知の半規管座標とともに二次元平面に展開した。その結果、3つの半規管座標軸に比較的一致する症例から全く一致しない症例まで様々であった。しかし、3つの半規管のなかでは、その速度ベクトルが外側半規管軸に最も近い症例が多かった。 以上の結果から、頸部固有受容器に振動刺激を与えたことにより、潜在していた前庭の不均衡が顕在化し、眼振として現れたものと考えられた。また頸部誘発限振を三次元解析し、全3成分とも認められたが水平成分が優位であったこと、眼振の速度ベクトルが外側半規管座標軸付近に最も集積したことから、頸部自己受容器からの求心性入力は主に水平系の前庭動眼反射路に関与していると考えられた。しかし、中には垂直・回旋成分優位の症例もあり、ベクトル分析で単一の半規管座標軸に全く一致しない症例やむしろ垂直半規管座標軸に一致する症例もあり、垂直系の前庭動眼反射路も含め複数の経路を介して眼振が発現していると推測された。
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