頭頸部癌におけるマトリックスメタロプロティナーゼの役割に関する研究
Project/Area Number |
09771399
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Otorhinolaryngology
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
宮嶋 義巳 久留米大学, 医学部, 助手 (60289486)
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Project Period (FY) |
1997 – 1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1998: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Keywords | MMP / TIMP / 頭頚部癌 / 転移 / 癌の転移 |
Research Abstract |
Matrix Metalloprotease(MMP)は細胞外マトリックスを分解するプロテアーゼで、生物の発生、分化、組織形成と修復、細胞移動に重要な働きをする。MMPファミリーの中で、MMP-2とMMP-9は癌細胞から分泌され、浸潤転移に大きな役割を果たすとされていた。 Tissue inhibitor of Metalloprotease(TIMP)は、不活型MMPの活性化を抑制し、さらに、活性型MMPと結合し、活性を制御し癌細胞の浸潤転移を防ぐとされていた。今回の研究により、癌細胞からMMP-2,-9およびTIMP-2が分泌されることが免疫組織化学的方法とIn situhybridization法を用いて確認された。MMP-2は癌細胞と間質に、MMP-9は癌細胞に発現を認めた。頭頚部癌においてMMP-2陽性例で浸潤、転移による死亡例を有為に多く認め、MMP一2の発現のある癌は浸潤、転移をきたしやすいことが示唆された。TIMP-2が陽性に染まる腫瘍ほどリンパ節転移を多く認め、TIMP-2が陽性であることは悪性度が高いと考えられた。TIMP-2は本来MMPを抑制するため、TIMP-2が発現することは悪性度が低い指標と考えられやすいが、大量のMMPを出している活発な癌組織では、これを制御するために組織切片上で多くのTIMP-2が発現していると考えられる。癌の浸潤転移には癌細胞自体により産生されるMMP-2およびTIMP-2のバランスが、大きく関与していると考えられた。 粘表皮癌においても癌細胞からMMP-2,-9が分泌されることがわかったが、臨床的悪性度との相関はみとめなかった。また、手術的に摘出した口腔癌および喉頭癌の癌組織より初代培養を行い、扁平上皮癌の培養株として確立したので、今後のMMPおよびTIMPの研究に役立てていく予定である。
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)