成熟哺乳動物の網膜神経節細胞の細胞死の抑止と軸索再生に関する研究
Project/Area Number |
09771453
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Ophthalmology
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
高野 雅彦 横浜市立大学, 医学部・附属病院, 講師 (40236253)
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Project Period (FY) |
1997 – 1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1998: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 網膜神経節細胞 / 神経再生 / 細胞死 / 逆行性標識 / 神経栄養因子 / 神経再生促進因子 / 蛍光色素 / 組織培養 |
Research Abstract |
網膜神経節細胞の標識:実験動物として成熟ラットをもちい、深麻酔後、脳固定装置にて頭部を固定、開頭し、四丘体上丘に蛍光色素Dilもしくは4Di-10Aspを注入し、その後実験動物を飼育した。これらの蛍光色素は視神経すなわち網膜神経節細胞の軸索を逆行性に伝わり、神経節細胞の細胞体を標識できた。この蛍光色素によって標識された網膜神経節細胞は1カ月以上飼育したラットでも観察可能であった。 硝子体注入法および視神経注入法を用いて変性抑止因子、再生促進因子等を注入後飼育した。眼球を摘出後、網膜を単離し、標識された神経節細胞を蛍光顕微鏡にて観察、その生存数を計測した。この方法により軸索切断後の神経節細胞の変性による細胞数の減少を硝子体または視神経に注入した因子が変性を抑止しうるかを検討した。また、動物を潅流固定後、網膜・視神経の組織標本を作成し、細胞変性・神経再生を観察した。さらに再生軸索が視神経接合部位を越えて上丘に向かうかどうかを検討するために別の蛍光色素を視神経または上丘に注入し、軸索再生した神経節細胞を再標識した。蛍光顕微鏡下で二重染色された神経節細胞数を観察、細胞数を計測することで軸索再生を検証した。この結果、変性抑止因子および再生促進因子としてBDNF(brain-derived neurotrophic factor)を用いると神経節細胞の著しい減少がくい止められた。また、神経節細胞から再生したと考えられる再生軸索が視神経接合部に入っている所見が得られた。神経栄養因子であるBDNFが神経節細胞の変性抑止因子および再生促進因子として働く可能性が示唆された。今後、他の因子が同様に神経節細胞の変性を抑止し、さらに軸索再生を促進して、視神経障害後の視覚機能の回復に役立つ可能性を探求する予定である。
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)