Research Project
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
角膜と結膜の境となる輪部組織にはランゲルハンス細胞が存在することが知られており、角膜実質炎の際にはランゲルハンス細胞が角膜実質内に遊走することが知られている。このランゲルハンス細胞の動態を観察するために、まず、角膜実質炎動物モデルを作製した。1.方法白色家兎を、卵白アルブミン、(OA)とフロイント完全アジュバントの混合液皮下注射で感作した後、6週間後に角膜実質内にOAを27G針で0.1cc注入し角膜実質炎を発症させた。OA注入後、経時的に細隙灯顕微鏡で観察し、免疫輪の形成を確認した後、眼球を摘出し、組織学的に検討を行った。染色方法は酸性ギムザ染色、メチルグリーンピロニン染色、酸ホスファターゼ染色、α-ナフチルアセテートエステラーゼ染色の他、免疫組織化学的にRT2、CD4、C3、IgGについて検討を行った。また、一部の組織では透過型電子顕微鏡による観察も行った。2.結果卵白アルブミンの角膜内注入後3日目には、輪部から数mmの距離に、角膜実質浅層から中層にかけて強い細胞浸潤像が見られ、細胞の集積像としての境界鮮明な免疫輪が認められた。この動物モデルを角膜実質炎のモデルとして用い、今後輪部の存在するランゲルハンス細胞の動態について、更に観察、検討を行う予定である。