Project/Area Number |
09771499
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Morphological basic dentistry
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
田畑 純 大阪大学, 歯学部, 助手 (20243248)
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Project Period (FY) |
1997 – 1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1998: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Keywords | エナメル芽細胞 / 分化マーカー / 増殖・分化の制御 / カルバインディン / 石灰化 / OCPC法 |
Research Abstract |
当申請者のグループでは、数年前から無血清培地を用いた初代培養法によって、エナメル芽細胞の生理的特性や分化を研究している。そして、培養下のエナメル芽細胞は、l.もっとも分裂活性が高い遊走段階、2.分翠活性が低く、遊走細胞が集合することで形成するクラスター形成段階3.分裂停止し、エナメル基質産生を開始する背の高い細胞段階、という3段階の分化を示すことを明らかにしている。一方、分化マーカーの探索も行い、HGFレセプター,(c-Met)、ケラチン14(K44)、アメロジェニン(En3)それぞれに対する抗体を利用することで、これらの分化段階をvitroにおいても判定できることを明らかにした。 ところで、我々の培養系では、高カルシウム条件下または長期培養により、しばしばフォン・コッサ染色陽性の石灰化様構造の形成が観察される。ただし、この出現は、偶然に左右される状況でその形成条件には不明の点が多かった。また、エナメル質の石灰化には隣接する象牙質に依存して進行すると従来より考えられており、エナメル芽細胞のみの我々の系での石灰化様構造の形成理由が、現状では説明ができないままであった。そこで、本研究に着手した。 まず昨年度は、抗体を使った分化マーカーの検索と石灰化度や各種酵素活性等を利用した分化の判定法を探究した。その結果、抗カルバインディン(CB)抗体が分化マーカーとして有望であること、石灰化定量のためにOCPC法が導入できることが判明した。そして今年度は、細胞外基質(ECM)と石灰化現象との関連を調べた。その結果、ファイブロネクチン(FN)上で培養すると、より高い効率で石灰化現象が起こることがわかった。前述の分化マーカー4種で比較したところ、FN上ではエナメル芽細胞の分化が早い傾向が認められた。すなわち、分化の加速が石灰化も早めたために、効率よく石灰化が起こったと考えられた。また、この実験によって得られた石灰化構造は、解析に十分な大きさだったので、現在、X線解析による組成分析を行っているところである。本研究の結果、培養゙下でのエナメル芽細胞の第4分化段階を明確にすることができた。すなわち、CB陽性の石灰化開始の時期である。また、石灰化を効率よく起こすことも可能になった。石灰化開始のメカニズムについては、さらに研究を継続中である。
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