口腔悪性腫瘍におけるテロメレース活性の診断学的意義とテロメレース制御遺伝子の研究
Project/Area Number |
09771525
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Morphological basic dentistry
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Research Institution | Kanagawa Dental College |
Principal Investigator |
三好 代志子 (岩崎 代志子) 神奈川歯科大学, 歯学部, 助手 (70288075)
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Project Period (FY) |
1997 – 1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1998: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | テロメレース / 口腔悪性腫瘍 / テロメレース制御遺伝子 |
Research Abstract |
テロメアDNAを合成する酵素、テロメレースは不死化細胞として癌細胞のもつ自律性増殖能に関連し、癌細胞に特異的に発現するものと考えられている。現在全身諸臓器に発生する悪性腫瘍の約80%にその活性化が認められることが報告されている。そこで、我々はヒト口腔領域原発の悪性腫瘍19例及び正常組織40検体、あるいは対照病変として良性腫瘍を含む8検体の各組織におけるテロメレース活性の有無を検索し、臨床病態及び病理組織学的悪性度とテロメレース活性との相関を検討した。 1) 臨床的に正常歯肉粘膜30例及び顎下腺組織2例、小唾液腺組織3例、横紋筋組織2例、リンパ節3例では、いずれもテロメレース活性は全く認められなかった。 2) 扁平上皮癌19検体中18検体、94.7%にテロメレース活性が認められた。テロメレース活性は、組織学的に高分化型偏平上皮癌に比較して中分化型偏平上皮癌あるいは細胞異型の強い症例、多数のリンパ節転移のみられた症例で高い活性が見られた。 一方、上皮異形成を伴わない白板症では、テロメレース活性は認められなかった。 3) 唾液腺腫瘍においては、腺様嚢胞癌、粘表皮癌で高いテロメレース活性が認められた。一方、多形成腺腫や粘液嚢胞では、テロメレース活性の発現は認められなかった。 4) 非上皮性悪性腫瘍、悪性リンパ腫2例、骨肉腫の1例では、高いテロメレース活性が検出された。一方、radiation inducedと考えられた骨肉瘍症例の腫瘍組織では、その活性は全く認められなかった。 5) 骨疾患におけるテロメレース活性の検索では、化骨性線維腫(1例)に弱い活性が検出された。一方、線維性骨異形成症(下顎骨1例)および正常な骨組織(13例)では、その活性は全く認められなかった。 以上の結果からヒト口腔領域においても、テロメレース活性が悪性腫瘍の発生や進展に深く関与する可能性が示唆された。又、腫瘍病変におけるテロメレース活性の検出が良・悪性の鑑別診断や臨床的あるいは生物学的悪性度の指標となる可能性が示唆された。
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)