歯周病関連菌の病原性と口腔環境ストレスとの相互作用
Project/Area Number |
09771529
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Functional basic dentistry
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
高橋 信博 東北大学, 歯学部, 助教授 (60183852)
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Project Period (FY) |
1997 – 1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1998: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Keywords | Prevotella intermedia / Prevotella nigrescens / アミノ酸代謝 / 糖代謝 / プロテアーゼ / 細胞毒性代謝産物 / グリコーゲン / 歯周病 / 歯周病関連菌 / Porphyromonas gingivalis / pH / アルカリ産生 / 細胞為害性代謝産物 / グルコース / アスパラギン酸 |
Research Abstract |
前年度の結果を踏まえ、引き続きPrevotella intermedia(Pi)およびPrevotella nigrescens(Pn)の検討を行った。 1. 環境変動因子としてグルコースに加え、歯周ポケット浸出液成分としてのアルブミンおよび唾液成分としてのムチンの影響を調べた。Piはアルブミンとムチンをともに利用し菌の増殖は増加した。さらに、菌体外プロテアーゼであるキモトリプシン様活性、エラスターゼ様活性、カゼイン分解活性が増加した。一方、グルコースの存在で菌の増殖は増加するもののプロテアーゼ活性は減少した。 2. 増殖基質によってプロテアーゼ活性が変化したことから、酵素活性調節は基質の代謝と密接に関わっていると考えられた。そこでPiおよびPnの主要代謝経路すなわち(1)アミノ酸代謝経路と(2)グルコース代謝経路を決定した。(1)前年度に決定されたアスパラギン酸代謝経路に加え、さらにバリンとロイシンの代謝経路が決定された。バリンとロイシンはともに分枝アミノ酸トランスアミナーゼと分枝オキソ酸酸化還元酵素によって代謝され、それぞれイソブチル酸とイソバレリアン酸になることがわかった。(2)グルコースはエムデン・マイヤホフ解糖系を経て代謝され、コハク酸、酢酸、ギ酸になることがわかった。さらにグルコースはグルコース6リン酸を経てグリコーゲンとなり菌体内に蓄積されることが明らかになった。 以上の結果から、細胞毒性代謝産物であるアンモニア、イソブチル酸、イソバレリアン酸はアミノ酸代謝によって産生されることがわかった。また、グルコース代謝時は解糖系でのエネルギー獲得効率が良いためアミノ酸代謝が抑えられ、その結果、細胞毒性代謝産物産生量が減少すると考えられる。さらに、グリコーゲン蓄積能は口腔環境中でのこの細菌の生存能力を高める一因と思われる。グルコースによるプロテアーゼ活性の減少はいわゆる「カタボライト・リプレッション」の可能性が高いが、さらなる検討が必要である。
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Report
(2 results)
Research Products
(12 results)