耳下腺Ca^<2+>-非依存性ホスホリパーゼA_2の多様性とその生理的機能分担
Project/Area Number |
09771558
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Functional basic dentistry
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Research Institution | Asahi University |
Principal Investigator |
神谷 真子 朝日大学, 歯学部, 助手 (80181907)
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Project Period (FY) |
1997 – 1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1998: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | Ca^<2+>-非依存性ホスホリパーゼA_2 / 分泌顆粒膜 / 細胞質 / 腺腔側形質膜 / 細胞内局在性 / bromoenol lactone / 可溶化 |
Research Abstract |
本研究は、ラット耳下腺細胞におけるCa^<2+>-非依存性ホスホリパーゼA_2(iPLA_2)の多様な存在特性を明らかにするために、その耳下腺細胞内分布および性状を検討したものである。iPLA_2の細胞内分布に関しては、平成9年度に各細胞画分における活性検索が終了しており、既に報告した分泌顆粒(SG)と腺腔側形質膜(PM)に加え、新たに細胞質でもiPLA_2の存在が確認された。本年度は引き続き3画分由来iPLA_2の詳細な特性観察を進めその相同性を検討した。3画分のiPLA_2のうち、細胞質iPLA_2(Cyt-iPLA_2)は1)ATPとTriton X-100で活性化される、2)Ca^<2+>-依存性PLA_2特異的阻害剤(AACOCF_3)でほとんど阻害されずbromoenol lactone(BEL)で阻害される点から、VI型に分類される酵素であると考えられた。一方SGとPM由来iPLA_2(SG-iPLA_2、PM-iPLA_2)は、ATP、界面活性剤およびAACOCF_3に対してCyt-iPLA_2と類似の挙動を示したが、BELで阻害されない点でCyt-iPLA_2と異なっていた。また、SG-およびPM-iPLA_2には、既知の細胞内PLA_2に共通の阻害剤(metyl arachidonyl fluoro-phosphonate)も無効であったことから、両酵素は新たなタイプのiPLAであると考えられた。SG-およびPM-iPLA_2はsn-2位不飽和型中性リン脂質を最も良い基質とするなど基質特異性の面でも類似しており、一連の生化学的性質からは両者を明確に区別することができなかった。以上の結果は、耳下腺細胞内にはVI型に分類されるCyt-iPLA_2と、SGとPMに共通して存在する新たなタイプのiPLA_2の少なくとも2種類の酵素が存在する可能性を示唆するものである。今後はSG-およびPM-iPLA_2の精製と構造解析を進め両酵素の相同性を厳密に検討すると共に、これら耳下腺iPLA_2の開口分泌などの生理機能への関与を検討していく予定である。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)