Project/Area Number |
09771583
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
病態科学系歯学(含放射線系歯学)
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Research Institution | Meikai University |
Principal Investigator |
永峰 浩一郎 明海大, 歯学部, 講師 (70228055)
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Project Period (FY) |
1997 – 1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 1998: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 1997: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | 口腔扁平苔癬 / 金属アレルギー / アポトーシス |
Research Abstract |
口腔扁平苔癬は、原因究明が困難であり治療に苦慮することが多い。一方、本症発症因子の一つとして歯科金属が起因と考えられた症例が多く報告されたが、これらの症例は、lichenoid reactionとしてlichen planusと区別されてきた。これらの所見の違いを検討することは、本症鑑別の一助となると思われる。今回私たちは、金属アレルギーが原因と考えられた症例とその他が原因と考えられた症例を免疫組織学的に細胞死(Apoptosis)をテーマの中心として検討した。まず、扁平上皮癌を材料としApoptosisの関連因子の性質を検討した。そして、扁平苔癬について検討した。 1.扁平上皮癌Apoptosis(TUNEL法) : (1)リンパ節転移陽性症例でApoptosis陽性症例は62.5%(2)リンパ節転移陰性症例でApoptosis陽性症例は90.0%(3)リンパ節転移陽性症例でApoptosis陽性率は3.7±7.2%(4)リンパ節転移陰性症例でApotosis陽性率は10.9±16.6%(5)高分化型79.2%、中分化71.4%、低分化66.7%(6)Apoptosis陽性率、高分化型9.3±15.4%、中分化3.6±6.1%、低分化2.2±3.6% 2.扁平上皮癌p53 : (1)リンパ節転移陽性症例でp53陽性症例は40.0%(2)リンパ節転移陰性症例でp53陽性症例は66.7%(3)リンパ節転移陽性症例でp53陽性率は12.1±15.0%(4)リンパ節転移陰性症例でp53陽性率は3.2±7.5%(5)p53発症、高分化型14.3%、中分化48.1%、低分化66.7%(6)p53陽性率、高分化型1.8±13.2%、中分化9.3±13.2%、低分化10.7±18.4% 3.扁平上皮癌Fas : (1)リンパ節転移陽性症例でFas陽性症例は50.0%(2)リンパ節転移陰性症例でFas陽性症例は85.0%(3)Fas発症、高分化型70.4%、中分化42.8%、低分化0% 4.扁平上皮癌bc1-2 : (1)リンパ節転移陽性症例でbc1-2陽性症例は75.0%(2)リンパ節転移陰性症例でbc1-2陽性症例は55.0%(3)bc1-2発症、高分化型51.9%、中分化64.3%、低分化100% 5.口腔扁平苔癬Apoptosis(TUNEL法) : (1)金属アレルギーが原因と考えられた症例60.0%(2)金属アレルギー以外が原因と考えられた症例37.5% 6.口腔扁平苔癬p53 : (1)金属アレルギーが原因と考えられた症例80.0%(2)金属アレルギー以外が原因と考えられた症例18.8% 7.口腔扁平苔癬Fas : (1)金属アレルギーが原因と考えられた症例60.0%(2)金属アレルギー以外が原因と考えられた症例37.5% 8.口腔扁平苔癬bc1-2 : (1)金属アレルギーが原因と考えられた症例20.0%(2)金属アレルギー以外が原因と考えられた症例62.5% 結論 : 扁平上皮癌のApoptosisの関連因子とリンパ節転位の関係を考察すると、Apoptosis、Fasの発現陽性もしくは、陽性率が高度の場合、リンパ節転位は、陰性の症例が多い。p53、Fasの発現陽性もしくは、陽性率が高度の場合、リンパ節転位は、陽性の症例が多い。この結果からApoptosisの発現および誘発因子の発現は腫瘍増殖能を遅らせる可能性を示唆する所見がえられた。 金属アレルギーが原因と考えられた口腔扁平苔癬は、その他が原因と考えられた症例と比較検討すると、Apoptosisおよび誘発因子Apoptosis、p53、Fasの発現が多かった。この結果から、細胞死の観点から本症の原因鑑別の一助になる可能性を示唆する所見がえられた。
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