Research Project
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
1、 材料及び方法(1) 実験動物及び被験部位:カニクイザル1匹の下顎小臼歯、大臼歯。(2) 歯一歯根膜移植:被験歯の抜髄、根管充填。歯肉粘膜弁を剥離挙上し、被験歯の遠心根頬側歯槽骨部に縦5mm、幅3mmの裂開状骨欠損を作成。被験歯の遠心根を分割抜去し、被験歯間で交換移植。実験側は、骨欠損部の骨縁上に露出した移植歯の歯根膜がバリアー膜の下になり、骨欠損部を2mm越えて覆うようにバリアー膜を固着。反対側は対照としてバリアー膜はつけない。両側とも歯肉粘膜弁を戻し縫合し、移植歯は隣接歯とスーパーボンドで固定。術後2週で抜糸し、週2回ブラッシング、必要に応じてスケーリングを行う。(3) 観察方法:移植3か月後、通報に従い標本を作製し、裂開状骨欠損部における骨新生量、歯根吸収量、アンキローシス量、付着上皮根尖側移動量を計測。2、 結果初期の創傷治癒は比較的良好であったが、実験側においては歯肉退縮が生じ、膜が露出しているものも見られた。術後3か月の組織標本において、実験則では、膜の露出が見られなかったものは上皮の根尖側への侵入はほとんど観察されながったが、膜の露出が見られたものは上皮の侵入が見られた。対照則では、上皮の侵入が見られた。骨の再生はわずかであり、実験側と対照側で差は見られなかった。