Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1998: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Research Abstract |
顎機能異常を主訴に当科を受診した患者の内,顎機能異常の中で疼痛および開口障害の症状が改善された後,引き続き頭痛の症状を訴える患者を用いた。なお,頭痛については筋緊張性の頭痛に関して,問診の結果,明らかな筋緊張型頭痛と判断できる患者について検討を行った。 今回,実験の協力が得られた患者は,顎機能異常の治療にて頭痛などの症状が改善した患者13名(P1群)および顎機能異常は改善したが筋緊張性頭痛と考えられるが頭痛の症状が改善しなかった患者9名(P2群)でいずれの患者についても実験の主旨,内容を十分説明し,同意が得られてから実験は行った。実験は重心動揺計に立った状態での軽い咬みしめ,スプリントを装着して咬みしめ(30秒)および強く咬みしめた状態(10秒)をいずれも開眼時および閉眼時について計測した。 各群ともに開眼時より閉眼時の重心動揺は増加し,スプリントを装着の有無で重心動揺の変化は軽い咬みしめではP1群では13名中9名がスプリント装着にて重心動揺が低下し,P2群では9名中7名が低下したが,強い咬みしめでは,P1群では8名,P2群では7名が短い時間実験時間であるにもかかわらず,重心動揺が増加した。 今回の結果から,軽い咬みしめの状態ではスプリントの装着により,重心動揺が低下した患者を多く認めたが,強い咬みしめの状態では重心動揺の増加を認めた患者がいずれの群も多く認めた。このことより,患者群において,日常生活における軽い咬みしめ癖のある場合,スプリントにより体幹の筋緊張の不均衡が改善する可能性が認められた。しかし,強い咬みしめ状態である夜間のブラキシズムなどでは筋緊張の不均衡はスプリント使用しても増大する可能性が示唆された。しかし,今回P1群とP2群の違いは傾向的な差は認めたものの,統計的な差は認めなかった。今回の実験は咬みしめ状態を筋電図等で確認していないなどの客観性に欠ける点があり,今後より実験の客観性を高めて,顎機能治療における保存療法が不随症状に及ぼす影響を引き続き検討していく予定である。
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