Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1998: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Research Abstract |
近年、顎口腔領域における心身医学的側面が指摘されているが、、患者の精神状態を客観的に評価することは難しい。また、我々は患者に対し一般に多大な心理的負担を強いているとされる歯科治療が精神性発汗に影響を及ぼすことを明らかにした。そこで、精神的ストレスの客観的評価法の確立を目的に,精神的ストレスが血圧,心拍,精神性発汗などの自律神経支配の身体反応に及ぼす影響について,検索した。精神的ストレスの負荷には、歯科治療とMirror Driwing Tasks(MDTs)を用いた.MDTsは短時間に一定の作業を行わせ、被験者の心理に対して,ある一定量の不安と怒りをもたらすものであり,定量的なストレスの負荷が可能と考えられている。血圧,脈拍はトノメトリ法により連続測定が可能な圧脈波センサ(JENTOW-7700,コーリン社製)で,また,精神性発汗は従来のものより外部環境(温度,湿度)に左右されにくく反応性にすぐれた局部発汗量連続記録装置(Perspirooss-100)にて測定,記録した.その結果、(1)歯科治療とMDTs負荷は血圧、精神性発汗を有意に増加させる(2)歯科治療においてはその内容により反応性が異なる(3)心拍数は有意な変化はないことがわかった。よって、MDTsは定量的にストレスを負荷でき、血圧と精神性発汗は客観的な心理要素の評価に応用し得る可能性が示唆された。さらに、この評価法を確立するために主観的心理要素との関係を検索してみた。すなわち、質問紙法により被験者をストレス傾向の高い群と低い群とに分け、各被験者に対して,MDTs負荷前後の血圧,脈拍、発汗量を上記と同様の方法にて測定した。質問票はストレス病を誘発しやすい行動パターンに関する質問票、および日常のストレス度に関する質問票を使用した。その結果、(a)ストレス傾向の高い群では、低い群と比較して、MDTs負荷前後における血圧、発汗量の増加量が有意に大きいこと(b)脈拍には有意な増加は認められないことがわかった。 以上より、ストレス順向を評価するパラメーターとして、血圧、発汗量が適していることが示唆された。
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