Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 1998: ¥300,000 (Direct Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 1997: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
|
Research Abstract |
物性ならびに形態が任意に規定,管理可能な被験食品として試験用グミゼリーを用いて,当教室において咀嚼能率診査法を開発し,既に臨床応用を行ってきた結果,有歯顎者においては個々の咀嚼能力の違いをより明確にするため,咀嚼の際により負荷のかかるように被験食品の硬さを増すことの有用性が示された.一方,全部床義歯装着者においても筋力の低下した患者や著しく顎堤の吸収した患者,あるいは腫瘍切除後の顎義歯装着患者などの顎機能の低下している患者では,従来用いてきた試験用グミゼリーの硬さあるいは大きさを再考する必要が示唆された.また,被験食品の元の形態においてその一部分での細分化が進んでいるものの,十分に細分化されていない大きな咀嚼片が残存していることが見られる.本研究では,咀嚼された食品の咀嚼片の粒子の分布状況を直接画像人力し,定量化を図ることを目的として,咀嚼片をビデオカメラにて画像データとして人力し,画像処理装置(ドットアナライザーDA5000SB)を用いて,パーソナルコンピュータ上にてその咀嚼片の粒子径,周囲長,断面積などの計測を行った.基礎的検討の上,実際の咀嚼片に対して検討を加えた結果,当教室で開発した咀嚼能率診査法での指標である咀嚼片の全表面積では,ほぼ同程度の咀嚼能力を示すものの,その咀嚼片の粒子の分布状況は異なるものが存在し,特に顎堤の吸収した患者や腫瘍切除後患者などの顎機能の低下した症例の中には,被験食品の一部分のみの細分化が進んでいることが定量的に示された.咀嚼機能評価をする上では,細分化された咀嚼片の全表面積に加えてその粒度分布を考慮する必要が示唆され,今後咀嚼能率などの従来からの補綴学的診査に加えて,本研究で開発した咀嚼片粒子の分布状況を定量化する方法を用いて,より詳細な臨床データの蓄積を行うことにより,咀嚼機能の回復度の指標となる診断基準の確立に貢献する可能性が示された.
|