Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1998: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Research Abstract |
総義歯患者の顎口腔機能の老化は,加齢や歯の喪失,全身的な要因のほか人為的関与による顎顔面形態の変化,総義歯のQualityなどさまざまな因子が複雑に絡み合って影響を受けると考えられる. 本研究では,総義歯患者を被検者とし,MRIから求めた咀嚼筋断面積と最大咬みしめ時の筋電図を分析し,一般的臨床診査項目とあわせ検討することにより,総義歯のQualityが咀嚼筋断面積と咀嚼筋機能に及ぼす影響について明らかにすることを目的とする. 被検者は総義歯製作を希望して来院した無歯顎患者から,無作為に抽出し,装着義歯のQualityの評価を,Quality scoreから求め,義歯Qualityの高い群(G1)と低い群(G2)に分けて咀嚼筋断面積と筋機能の関連を比較,検討した.咀嚼筋は,MRI装置(GE社製SIGNA)を用い,咬筋,側頭筋後部を撮像した.断面積の計測はMRIフィルムのトレース後,画像解析装署IBAS-2000(ZEISS社製)にて画像解析し計測した.最大咬みしめ時の咀嚼筋筋電図は,ポリグラフ(NECメディカルシステムズ社製)を用い,咬筋,側頭筋前部,ならびに後部から,表面電極にて双極導出し,記録した.筋電図データは,サーマルアレイレコーダーにて再生し,計測した.申請したパーソナルコンピュータにて,これら各分析データの集積を行い,以下の結果を得た. 1. 咀嚼筋断面積は総義歯Qualityの低い群(G2)で有意な減少を認めた. 2. 咀嚼筋活動量は総義歯Qualityの低い群(G2)で減少する傾向を示した. 3. 咀嚼筋断面積と咀嚼筋活動量の相関はQualityの高い群(G1)の咬筋のみに認めた. 4. 咀嚼筋断面積は,総義歯Qualityの低下に伴い,有意な減少を認めた. 5. 咀嚼筋活動量は,総義歯Qualityの低下に伴い,減少する傾向を示した. 以上より,咀嚼筋の形態や機能の低下には義歯のQualityが関与していると考えられ,適切な義歯の装着は咀嚼筋系の健康維持に重要であることが示唆された.
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