Project/Area Number |
09771896
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Chemical pharmacy
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
眞鍋 敬 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 助手 (00251439)
|
Project Period (FY) |
1997 – 1998
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
|
Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1998: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
|
Keywords | 相間移動触媒 / 不斉合成 / 四級ホスホニウム / アルキル化反応 / 水素結合 / サレン錯体 / 遷移金属 / マンガン / 触媒 / ケトエステル / エナンチオ選択的 |
Research Abstract |
平成9年度においては、多点水素結合による基質捕捉部位と四級ホスホニウム部位とを併せ持つ新規キラル相間移動触媒分子をデザイン・合成し、β-ケトエステル類の不斉アルキル化反応に応用し、中程度の不斉選択性で生成物を得ることに成功した。 平成10年度において、上記不斉合成の反応条件を種々検討したところ、以下のことが明らかになった。(1)不斉反応に用いる塩基として種々のアルカリ金属炭酸塩を検討した結果、炭酸カリウムが最も良い不斉選択性を示した。(2)用いる炭酸カリウム水溶液の濃度が、反応の収率と不斉選択性の両方に影響を与え、炭酸カリウム飽和水溶液が最も良い結果を与えた。 さらに平成10年度において、キラル遷移金属錯体が相間移動触媒として機能することを明らかにした。特に、キラルマンガンサレン錯体を触媒として用い不斉アルキル化反応の検討を行った結果、インダノン誘導体のベンジル化反応において最高56%代の選択性で生成物が得られることを見出した。また、サレン錯体の中心金属としてはマンガンが最も良い結果を与えることも判明した。この反応は、キラルサレン錯体を用いて不斉アルキル化反応を行った初めての例である。 相間移動触媒による反応は様々な魅力があるにもかかわらず、キラルな相間移動触媒を用いたエナンチオ選択的反応の例は非常に少ない。本研究で開発した触媒分子は、従来開発されてきたキラル相間移動触媒とは構造が大きく異なっており、新しい系統の触媒分子である。
|