Project/Area Number |
09771901
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Chemical pharmacy
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Research Institution | Tohoku University (1998) Toyama Medical and Pharmaceutical University (1997) |
Principal Investigator |
斎藤 慎一 東北大学, 反応化学研究所, 助手 (80283076)
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Project Period (FY) |
1997 – 1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1998: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | シクロペンタジエニルカチオン / 反芳香族性 / ヒュッケル則 |
Research Abstract |
シクロペンタジエニルカチオンは一見ジエンとの共役により安定化されたカチオンであるとみなせるが、実際にはヒュッケル則により不安定化されたモノカチオンであり、強い酸性条件でのみ生成する。私はペンタメチルシクロペンタジエニルカチオンの物性についての情報を得るため、重水素で標識したペンタメチルシクロペンタジエニルクロライドの合成に着手した。テトラメチルシクロペンテノンをトリフルオロメタンスルホニルクロライド及びLDAを用いてクロル化し、まずクロロテトラメチルシクロペンテノンを得た。さらにこの化合物に重水素化されたメチルリチウム-ヨウ化リチウム錯体を作用させ、クロロペンタメチルシクロペンテノールを得た。この化合物をパラトルエンスルホン酸にて処理することにより、脱水反応をおこない、特定の位置が重水素化されたテトラメチルシクロペンタジエニルクロライドの合成に成功した。この化合物には重水素化されたメチル基が含まれていることを確認したが、置換位置に関しては反応中に異性化反応が起こったために、若干の異性体が混ざってしまうことがわかった。実際、この化合物を加熱すると、異性化反応が加速され、全ての置換位置に重水素を均等に含む化合物が得られた。さらに、この化合物をAgBF_4存在下、各種アルコールと反応させたところ、メトキシ体が得られたが、この化合物のメチル基の重水素化率は置換位置により異なることが判明した。以上の結果は反応化学的にペンタメチルシクロペンタジエニルカチオンが局在化したカチオンであることを示した最初の例である。
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