Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1998: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
|
Research Abstract |
HIV-1感染刺激により新規発現する宿主細胞由来N-ミリストイル化タンパク質を介した細胞内情報伝達機構を解明することは,HIV-1感染によるCD4陽性リンパ球の減少阻止,AIDS発症抑制に貢献できるのもと考え本研究に着手した。 ヒトリンパ球細胞にHIV-1(m.o.i=0.01)を感染させ,24-96時間培養後,申請者らが作製した抗ミリストイルグリシン単クローン抗体を用いたウエスタンブロット分析により,ミリストイル化タンパク質の検出を行った結果,分子量28kDa及び分子量75kDaの新規N-ミリストイル化タンパク質を見出した.N-ミリストイル-P28タンパク質は,非感染細胞(CEM)及びHIV-1急性感染細胞中には存在しないことから,HIV-1感染細胞の安定化・潜伏に必須のタンパク質であることが示唆された.また,同様に,申請者らが作製した,ミリストイル化を触媒する酵素N-ミリストイルトランスフェラーゼを認識する単クローン抗体を用いたウエスタンブロット分析により,HIV-1急性感染細胞内N-ミリストイルトランスフェラーゼの検出を行った結果,分子量88kDa,63kDa,及び57kDaのタンパク質が検出された。特に,分子量88kDaのタンパク質は,従来報告されているN-ミリストイルトランスフェラーゼではないことから,新たなN-ミリストイルトランスフェラーゼ相同性タンパク質であることが考えられ,HIV-1感染に関与する情報伝達タンパク質であることが示唆された。さらに,本タンパク質の構造解析を行った結果,抗原提示に関与していると考えられる,シャペロンタンパク質のホモログであることがわかった.このことは,HIV-1感染細胞が生体免疫系に及ぼす影響を明らかにするために極めて重要な知見である.
|