Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1998: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Research Abstract |
平滑筋収縮時の収縮エレメントのカルシウム感受性を生理学的・薬理学的に解析するために,まず,ラット肺肉細気管支平滑筋のスキンドファイバー標本の作製を試みた.本標本の作製には一般的に,β-escin,α-toxin等が用いられるが,数多くの検討を行った結果,幅0.1mm,直径0.5mmの肺内気管支切片に対して10μMβ-escinを23℃にて30分間処置することにより,再現性の良いCa^<2+>収縮が得られることが明かとなった.また,本スキンドファイバー法を用いて,正常群と気道過敏性群の肺内気管支平滑筋のCa^<2+>収縮を比較したところ,両群間で著明な差は認められなかった.この結果より,気道過敏性時において,少なくともベースラインレベル(すなわちアゴニスト等の刺激がない場合)の収縮エレメントのカルシウム感受性には変化がないことが明かとなった.また,アセチルコリン誘発カルシウム感受性亢進については,正常群と比較して気道過敏性群ではより大きく発現することが明らかとなった.さらに,このアセチルコリン誘発カルシウム感受性亢進現象は低分子量GTP結合蛋白質であるRhoの阻害薬であるC3により完全に抑制された.一方,Western blot法を用いて定量を行った結果,気道過敏性時に気管支組織のRho A含量が著明かつ有意に増大していることが明かとなった.以上の結果より,ラット気管支平滑筋において,Rho Aがアゴニスト誘発カルシウム感受性亢進に関与しており,気道過敏性時にこのRho Aを介したメカニズムが大きく亢進しており,その結果より強い収縮が惹起される可能性が示唆された
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