スキルス由来ガン細胞におけるカドヘリン−カテニン細胞間接着システムの異常の解析
Project/Area Number |
09772011
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Biological pharmacy
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Research Institution | Setsunan University |
Principal Investigator |
芝本 さゆみ 摂南大, 薬学部, 助手 (80178920)
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Project Period (FY) |
1997 – 1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 1998: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | カドヘリン / 細胞間接着 / 浸潤 |
Research Abstract |
カドヘリン-カテニン接着システムの異常はガンの浸潤性に深く関与していると考えられる。胃ガンの中でスキルス胃ガンは最も悪性とされ、浸潤性の高さが特徴である。その特性は細胞株でも観察され、細胞間ならびに、細胞と細胞外マトリックスとの接着性が非常に弱く、完全に浮遊した状態でも増殖しうることである。その原因のひとつとして、E-カドヘリンの遺伝子異常が予想された。そこで、私は、遺伝子変異の結果E-カドヘリンがどのような異常タンパク質となり、それが接着異常につながるのかという未解析の重要点について、スキルス癌患者の腹膜播種性ガン細胞より樹立された細胞株HSC-45M2を材料として検討した。その結果、今年度、以下のことを明らかにした。 1.HSC-45M2はE-カドヘリンを発現しているが、SDS-PAGE上でのその分子量は正常に比べ大きかった。 2.ゲノムDNAに欠失変異がみられ、そのためスプライシングが異常となり、その結果生じたと考えられる2種類の異常なcDNA(イントロンの挿入とエキソンの欠失)が発現していた。 3.ノザンブロティングの結果、HSC-45M2においてはエクソンが欠失したmRNAが主転写産物であった。 HSC-45M2において確認されたエキソンの欠失と同様の異常が、diffuse-typeに分類される胃ガン症例の約50%に見られることが最近報告されたことから、HSC-45M2が発現している変異E-カドヘリンが生体内でも高頻度に出現していると予想される。現在、E-カドヘリンcDNAを実際にタンパク質として発現させ、そのカドヘリンが接着活性を示すか検討中である。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)