Project/Area Number |
09772057
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
応用薬理学・医療系薬学
|
Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
林 泉 北里大学, 医学部, 講師 (90172999)
|
Project Period (FY) |
1997 – 1998
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
|
Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1998: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
|
Keywords | 分泌 / ブラジキニン / カリクレイン / カリウム / ATP感受性カリウムチャネル / 腎臓 / カリクレイン・キニン系 / 高血圧 / Brown Norway Katholiekラット / カリクレイン・キニン / 高分子キニノゲン / 分泌障害 / DOCA-saltラット / 高血圧症 / 腎カリクレイン |
Research Abstract |
平成9年度の本研究課題では、細胞内で生合成された後に細胞外へと能動的に分泌されるタンパク質について、その細胞内輸送・分泌を制御する機能分子の探索を行うことを目的として、分泌異常症モデルからのアプローチを試みた。その結果、まず生理活性ペブチドであるプラジキニンの産生酵素であるカリクレインが、ラット腎皮質部から高カリウム刺激により遊離されること、そしてdeoxycorticosterone acetate(DOCA)-salt誘発高血圧ラットの腎皮質部からは、カリウム刺激に対するカリクレインの遊離が低下していることを見い出した。そこで平成10年度では、まずカリウム刺激によるカリクレインの遊離機構についてin vitroで検討した結果、高カリウムによりATP感受性カリウムチャネルの遮断を引き起こし、さらには一部電位依存性カルシウムチャネルの活性化を生じ、最終的にはサイトカラシンBにより抑制される細胞内収縮蛋白と連関することにより、腎カリクレインが能動的に腎臓から分泌される可能性が示唆された。そこでさらに腎ATP感受性カリウムチャネルを、カリクレインの分泌制御分子の標的としたin vivoの検討を行った。すなわち腎カリクレインの分泌を亢進させ、高血圧発症に対して防御的に作用する腎カリクレイン・キニン系を促進させることを期待し、カリウム刺激により腎カリクレインの分泌能が低下していると推定されDOCA-saltラットにATP感受性カリウムチャネル阻害薬であるglibenclamideを投与した結果、その血圧上昇が有意に抑制された。以上の本研究課題の成果から、腎ATP感受性カリウムチャネルに対する特異的遮断薬が、降圧因子の一つである腎カリクレインの細胞外分泌を促進することを介して、高血圧症の治療薬となりうる可能性が示唆された。
|