糖尿病に伴うNO合成酵素の機能異常とその組織障害への関与に関する研究
Project/Area Number |
09772060
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
応用薬理学・医療系薬学
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
清水 俊一 昭和大学, 薬学部, 助教授 (60196516)
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Project Period (FY) |
1997 – 1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 1998: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 一酸化窒素合成酵素 / テトラヒドロビオプテリン / 一酸化窒素 / 活性酸素 / 細胞障害 / 血管内皮細胞 / ラット糖尿病モデル / 糖尿病 / 血管機能障害 / 過酸化水素 / 酸化的ストレス |
Research Abstract |
血管内皮細胞より生成される一酸化窒素(NO)は、強い血管拡張作用及び血小板、白血球の活性化抑制作用を有しており、血管機能の調節に重要な役割を演じている。NOはアルギニンを基質としてNO合成酵素により産生されるが、NO合成酵素は補酵素であるテトラヒドロビオプテリン(BH4)濃度が低下するとNOの代わりに活性酸素を遊離することが脳由来のNO合成酵素で示された。本研究では、最初に血管内皮細胞のNO合成酵素もBH4濃度が低下すると活性酸素を遊離し、その活性酸素が細胞障害に関与するか否かについて検討し、更に糖尿病時にBH4が低下し組織障害に関与するという仮説を立て検討を進めた。その結果、血管内皮細胞のNO合成酵素もBH4が低下すると活性酸素を遊離することが認められた。また、活性酸素により誘導される血管内皮細胞障害にNO合成酵素より遊離する活性酸素が関与することを明らかにした。更にこの研究過程で、BH4はNO合成酵素の機能維持に関与するだけでなく、それ自身に活性酸素や過剰NOにより引き起こされる血管内皮細胞障害に対する保護効果を有していることを見出した。これらのことから、BH4は、NO合成酵素の機能維持に関与し、更に細胞障害抑制作用を有していることが明らかとなった。次に、糖尿病による組織障害にBH4の低下によるNO合成酵素の機能変化が関与するか否か検討するために、ストレプトゾトシン投与により作成したラット糖尿病モデルの組織中BH4含量を測定した。その結果、血管のBH4含量は測定できなかったが、小脳の含量が著しく低下していることを認めた。また、インスリンを血管内皮細胞に添加したところ著しいBH4含量の増加を認めた。これらのことから、インスリン依存性糖尿病においてBH4の組織内含量が低下し、糖尿病に伴う組織障害に関与する可能性が考えられた。糖尿病の組織障害におけるBH4の役割については今後更に詳細な検討が必要である。
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Report
(2 results)
Research Products
(10 results)