Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1998: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Research Abstract |
昨年度までの研究で、Aspergillus oryzaeの中性プロテアーゼ(ANP-II)が、福岡地方固有の豆腐味噌漬けに独特のチーズ様の風味とテクスチャーをもたらすことを明らかにした[舟木淳子他:日食工誌,43,546-551(1996),J.Funaki et al.,J.Food Biochem.,21,191-202 (1997)]。またANP-IIは豆腐や豆乳タンパク質を効率的に分解し、大豆の主要アレルゲンGly m Bd 30K[T.Ogawa et al.,Biosci.Biotech.Biochem.,59,831-833(1995)]も分解することをSDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS-PAGE)及びウェスタン分析により観察した。そこで本年度はさらにELISA(enzyme-linkedimmunosorbent assey)による抗原性低下の測定を行った。また昨年度、ANP-IIを作用させた豆乳から豆腐様のゲル状食品を作製しうることを示したが、今年度はこのゲル状食品作製の最適条件を検討した。 通常豆腐作製用に調製する方法で大豆より作製した豆乳を用い、麹から抽出・精製したANP-IIを加え50℃で15時間反応させGly m Bd 30Kを分解させた。このときELISAによる測定ではこの豆乳に抗原性は見られず、低アレルゲン化されたことが確認された。さらにこの豆乳を用いて豆腐様食品の作製を試みた。オートクレープ処理によるゲル化法、凝固剤グルコノデルタラクトンを用いた豆腐作製法、寒天を加えてゲル状に固める方法の三種について詳細に検討した。官能検査においても、クリープメーターによる物性測定においても、寒天0.8%を加えて固めたゲルが最も市販の絹ごし豆腐に近かった。またこのゲルの実際の調理法についても検討した。
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