Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1998: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Research Abstract |
離漿は,ゲルの骨格を形成する鎖状分子からなる三次元的な網目構造が,時間の経過とともに収縮し,これが原因となって生ずるといわれている.しかし,その機構については十分に明らかにされてはいない.離漿の機構を考える手懸かりを得るために,ゲル中の水分の移動現象を把握することを試みた.食品用の圧密試験器を作製し,アガロースゲルの透水係数を求めた.あわせて,レオロメーターマッタスを用いて破断測定値を測定し.さらに,走査型電子顕微鏡によるゲルの網目構造の観察を行った.試料は,アガロース濃度を0.8%,1.0%,1.2%の3段階にして調製した.アガロース濃度の高いゲルほど,間隙比の値が高く,沈下量が平衡に達する時間は短い.また,透水係数は荷重強度の増加にともない徐々に減少する.アガロースゲルでは,二重らせんによって形成される接合領域が多く,この中に多くの水分子を保持している.圧密を行うと,まず水に力が伝わり自由水がゲルの外に放出され,次に網目構造に変形が生じる.アガロース濃度の高いゲルでは,アガロース分子と結合している水分子が多いことから,枚出される自由水は少ないため間隙比の減少は少ない.また,すぐに最終沈下量に達するため,平衡時間は短くなり透水係数の減少は僅かとなる.破断特性値は,圧密後のゲルは,48時間放置して離漿させたゲルに比べ,破断応力は顕著に高くなる.また,最終沈下量に達した後.吸水させたゲルは,圧密後のゲルに比べ破断応力の値は低くなる.アガロースゲルの網目の大きさは.アガロース濃度の高いゲルほど小さい.圧密により,アガロース濃度の低いゲルほど網目の動半径は顕著に減少する.アガロース濃度0.5%ゲルを用いて圧密前後の網目の大きさを測定し,計算式から求めた値とばぼ一致した.
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