Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1998: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Research Abstract |
日常生活における歩行数を体力指標とすることによって,高齢者の骨量減少の個人差と体力との関係について縦断的な検討を行った。対象者は女性高齢者54名である。 1. 平成9年度に得られた成果を下記に示す。 1995年に第一回目の踵骨骨量及び歩行数測定を実施し、その2年後に追跡調査を行った。踵骨骨量の測定には,超音波骨量測定装置(Lunar社製A-1000)を用い,Stiffnessの年間変化率を%△Stiffnessとして算出した。 1) 全対象者の%△Stiffness平均値は-1.0±2.3であり、年齢との相関はみられなかったが,初回測定時のStiffnessとの間には有意な負の相関が認められた。 2) 初回測定時に歩行数が少なく,2年後にさらに歩行数が低下した者では,%△Stiffnessは-2.4±2.8であった。 3) 2年間高いStiffnessを維持している者では,優れた体格及び活動的な日常生活が特徴として認識された。 以上の結果から,日常生活の活動量が標準レベルから逸脱している高齢者では,骨量は加齢に伴う生理的減少の範囲外で推移している可能性が示された。 2. 平成10年度に得られた成果を下記に示す。 前年度の対象者の中から,47名の協力により,採血を実施し,骨代謝マーカーや遺伝的な要因であるビタミンDレセプター遺伝子多型について検討した。その結果,%△Stiffnessと遺伝子多型との間には明確な関係は得られなかった。 これらの成果から,高齢者における骨量減少には,環境的な要素が強く関与している可能性が示された。
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