Project/Area Number |
09780078
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
体育学
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
北 一郎 東京都立大学, 理学研究科, 助教授 (10186223)
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Project Period (FY) |
1997 – 1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1998: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Keywords | 高齢者 / 平衡機能 / 重心動揺 / 呼吸循環 / 加齢 / 運動習慣 |
Research Abstract |
本研究では、定期的な運動が加齢過程と関連する神経系機能の変化を有意に抑制できるかどうかについて検討するため、高齢者の平衡機能に焦点をあて、その可塑性と運動習慣の影響について若年者との比較も含めながら行動学的および生理学的側面から解析することを目的とした。被検者は、運動経験及び運動習慣の異なる動揺病症状をもたない健常な中高年男女39名及び若年男女34名を対象とした。被検者の運動習慣に関しては、質問紙法により日常的に実施している運動種目・頻度・時間・継続年数について調査し、週2日以上の頻度で定期的な運動を行っている者を運動群とし、他は非運動群とした(中高年者:運動群、56.9±8.4歳、n=18、非渭動群、55.7±5.2歳、n=21、若年者:運動群、21.9±1.9歳、n=15、非運動群、22.7±2.2歳、n=19)。平衡機能の行動学的側面については、直立姿勢及び片足立ちにおける重心動揺(開眼及び閉眼、測定時間20秒)が測定された。重心動揺は重心動揺計を用いて測定し、左右方向(X-cm)、前後方向(Y-cm)及び垂直方向(Z-kg)の振幅確率密度分布の標準偏差(RMS)を算出した。また平衡機能の生理学的側面、すなわち姿勢制御に重要な神経系機能について解析するために、重心動揺測定中に下肢筋群(ヒラメ筋、前脛骨筋)の筋電図、呼吸数及び心拍数応答について測定し、時間的・空間的分析を行った。結果として、中高年者・若年者とも非運動群の方が運動群に比べて重心動揺は大きい傾向にあった。また中高年者・若年者ともに、閉眼片足立ちを行うことにより心拍数、呼吸数は顕著な増加傾向を示したが、中高年者の非運動群におけるそれらの増加傾向は他の群に比べて小さく、これは加齢に伴う自律系の反応性の低下を表すと考えられる。以上のことより、運動が加齢に伴う神経系機能の低下を一部抑制する可能性が示唆された。
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