Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 1998: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Research Abstract |
筋音(MMG)とは筋線維が収縮する際に,その径が側方に向けて拡大・変形すために発生する一種の「圧波」である。体表面上により記録される筋音は,各筋線維が発生した圧波の重畳であり,筋の機械的活動を反映する。MMGの振幅および周波数成分は,運動単位(MU)活動様式と一致することが報告されてきた。しかしながら,筋音とMU活動様式との関係は未だ実証されたとはいい難い。そこで本研究は,速筋線維の選択的萎縮を有する疾患筋,および,正常筋より得られた筋音の特性を比較分析し,筋音とMU活動様式との関係を明らかにすることを目的とした。被験者は随意収縮が可能な麻痺レベル(L4以下)を有する二分脊椎症患者と,同年齢域の健常者を対象とし,大腿四頭筋の等尺性筋収縮を行った。収縮力は10〜90%MVCの間の9種類とした。MMGは小型加速度計にて大腿直筋筋腹上より導出した。また表面電極による筋電図記録も同時に行った。MMGとEMGはそれぞれFFT法を用いてパワースペクトル,RMS値(rms),平均周波数(mf)を算出した。収縮力に伴うEMGの変化は両群間に有意な差は確認されなかった。一方,収縮力の増加に伴うMMGの挙動は2群間で有意に異なった。すなわち,健常者群では,速筋線維が動員を開始する30%MVCを境にパワースペクトルの高周波数成分が増大し,これによりrmsMMGの急増した。また筋線維強縮にて力を増大させる80MVC以降では,スペクトル成分が高周波数領域へと以降するにつれてrmsMMGの増加が停止,もしくは減少した。これに対し速筋線維の選択的萎縮を有する患者群では,収縮力に伴いほぼ直線的にrmsMMGが増大した。さらにパワースペクトル内には高周波数成分の出現は認められず,mfMMGの変化も健常者と比較して小さかった。上述の結果から,MMGのパワースペクトル内に出現する高周波数成分は速筋線維依存であること,また,高収縮力における筋線維強縮によってMMG振幅が低下させられることが明らかとなった。さらに,MMGはMU活動様式を無侵襲で分析する上でEMGよりも有用な指標であることが確認された。
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