亜高山帯における林床型分布の成因論的検討に基づく森林更新モデルの再構築
Project/Area Number |
09780136
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
自然地理学
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
高岡 貞夫 東京都立大学, 大学院・理学研究科, 助手 (90260786)
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Project Period (FY) |
1997 – 1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1998: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Keywords | 地生態学 / 上高地 / 亜高山帯 / 林床型 |
Research Abstract |
森林植生、斜面の地形発達、林床型の間の関係を探るため、上高地梓川上流域において山腹斜面の落葉広葉樹の分布、特にブナに着目して研究を行った。梓川両岸の山腹斜面にはコメツガ、チョウセンゴヨウ、クロベ、トウヒなどが優占する針葉樹林と、シナノキ、ダケカンバ、ブナなどの落葉広葉樹がウラジロモミやトウヒなどの針葉樹と混交する林とがある。山腹斜面の針広混交林内に単木的にブナが出現する約50地点において、ブナの樹高や胸高直径、生育地の地形的条件などを記載した。計測された樹高2m以上のブナ101個体のうち、約8割は胸高直径が40cm以上で、100cmを超えるものも7個体計測された。5-40cmの個体が2個体と極めて少なく、中径木(亜高木)に相当するブナが見られないことが特徴となっている。中古生層の分布域に限ってみると、ブナを含む針広混交林は主として開析の進んだ急傾斜の斜面に分布していた。ここでは表層崩壊によって地表撹乱が顕著ではあるけれども、林床にはシナノザサが優占する傾向があった。ブナの幼樹の多くはこのような崩壊跡地などの急傾斜地に集中的に観察され、それ以外の場所では極めて少ない。 本研究の結果から、亜高山帯と山地帯の植生帯境界部において、ブナや他の落葉広葉樹が山腹斜面の地形発達と関わりながら森林を構成していることが明らかになった。斜面の安定性と更新メカニズムとの関係をより詳細に検討することが今後の課題となる。
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Report
(2 results)
Research Products
(6 results)