Research Abstract |
本研究では,算数に困難を示す児童のためのCAI教材における課題解決過程の評価の観点を課題ごとに設定し,既に開発したCAI教材の中に,課題解決過程の評価結果がグラフ等で示されるような評価システムを開発して組み入れ,このシステムが学習困難児に対する指導手続きの見直しに役立つことを事例検討で明らかにすることを目的とした。 そこで,筆者がこの数年間に開発してきた多くの小学校1〜3年生用の算数学習用CAI教材について,課題解決過程の評価の観点の見直しを行ない,課題解決過程評価システムを開発,教材への組み込みを行った。 また,欧米におけるTechnology Based Assessmentの研究を参考にして,筆者の行ってきた指導実践のデータを評価し直した。単純な二者択一型のドリル学習のデータも,傾向線入りの折れ線グラフにより正答率の推移をみることによって,指導計画の見直しなどに有効であることがわかった。他にも,誤答のタイプ分け,解答所要時間データの利用など,工夫することにより,学習困難児を対象とした学習の評価にコンピュータを活用する可能性が開けた。 さらに,今まではMacintoshコンピュータでプログラムを開発していたが,多くの教育現場に導入されているWindowsコンピュータにも同様のものを移植する必要性を感じ,現在,移植作業を続けている。
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