Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 1998: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Research Abstract |
本研究課題では,極限微細化されたVLSIシステムにおける配線問題を軽減するために,スペクトル拡散技術の本質である擬似ランダム系列キャリア(M系列等)の性質を利用し,VLSI中における多重伝送,ノイズ除去を可能とする「ウェーブパラレルコンピューティング(Wave-ParallelComputing)」の概念を提案した. 特に,平成10年度はM系列が有する「ランダム性」と「直交性」の代数的性質が画像の直交変換に適用可能である点に着目し,スペクトラム拡散と画像処理の概念を融合させた新しい画像処理方式を検討し,本方式が劣悪かつ低速の伝送路における画像圧縮,伝送に有用であることを示した.ここで扱う画像の直交変換は,原画像とM系列との畳み込み演算により符号化を行い,伝送する処理である.符号化画像に対して,同位相のM系列を用いて再び畳み込み演算を施すことにより原画像が再生される.これらは,DCT(離散コサイン変換)等の直交変換と同様の演算となるが,本方式は原画像情報がランダムに分散されるため,以下のような特長を有する. 1. 周波数成分を有するDCT基底と比較して,ランダム性を有するM系列基底は文字情報等の複雑な画像を近似しやすい性質があり,従来高圧縮が困難であった画像の圧縮に有効である. 2. 画像のダイナミックレンジを周波数領域に拡散し圧縮することが可能であり,MOSセンサの低分解能A/D変換部などにおいてSN比を確保しつつ画像データのダイナミックレンジのビット数を圧縮する応用などに有効である. 本課題では,従来,通信の分野で用いられてきたスペクトル拡散技術を情報処理に適用し,画像処理への応用を検討した.今後は本アルゴリズムのハードウェア実装を検討する予定である.
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