Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1998: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
本研究の目的は,ソフトウェア開発において並行して行われる工程が互いにどのようにコミュニケーションを行い,その結果が互いの進捗や生産物の品質にどのような影響を及ぼしあうのかについて明らかにしたうえで,リソースの配置や工程のスケジューリングなどから,必要となる開発期間や生産物の最終的な品質を予測するシステムを開発することである.平成9年度においては,作業者の習熟度が進捗に及ぼす影響の要因に限定して,その影響を考慮した作業進捗の数式モデルを構築した. (1)ネットワーク環境下における並列作業間の相互作用の観測 申請者の所属大学に既設のネットワーク環境,および,ソフトウェア工学観測実験室の設備を用いて,単純化したソフトウェア開発作業において互いに依存関係を持つ複数工程を並行して行い,その様子を記録,観察した.記録データとしては,キ-ストロークや,ファイルのサイズなど作業の進捗を表わすと考えられるものや,マイクロフォンを通じた会話,電子メール,ドキュメントの参照履歴など,作業間で与えあう影響に関連すると考えられるもの採取した.本観測を通じて,作業者の習熟度と,その時間的成長が,作業の進捗を大きく特徴づけていることを確認した.これらの成果をもとに(2)ダイナミクスモデルの構築を行った. (2)進捗のダイナミクスモデルの構築 (1)で得られる知見を元に,作業者がある作業に対して要求される知識量や,習熟による知識量の増加を時間的関数として表現し,ソフトウェア開発作業の進捗の成長モデルを常微分方程式の形式で近似し,モデル化した.本成果について,97年に開かれたソフトウェアシンポジウムにおいて発表した.
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