Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Research Abstract |
本年度は,人工生命による分子進化のモデル化と遺伝子情報の統合解析のため,以下のシステムの開発を行った.1. 配列類似度による遺伝子の分類システム 配列類似度により遺伝子を類似したクラスタに分類するシステムを開発した.本システムの特徴は,進化の過程で遺伝子配列に生じる変異の蓄積により,限定された類似性しか示さない遺伝子間でも,遺伝子相互の類似性を表したグラフを解析することにより,配列類似度に基づく遺伝子の分類が可能なことである.約4800個ある大腸菌の全遺伝子をこのシステムにより分類した結果,全体の約半数の遺伝子が何らかのクラスタに分類できている.2, 生物の遺伝子情報の収集・統合システム 既知の遺伝子に関する情報は,GenBank等のDNA塩基配列データベース,PIRやSWISS-PROT等のアミノ酸配列データベース,PDB等の立体構造データベースに分散して蓄積されている.そこで,これらの情報を,遺伝子ごとに統合し,多様な角度から比較・検討できるシステムを開発した.このシステムがら,人工生命の設計に必要な基礎的なデータを得ることができると考える. 3. 人工染色体上での遺伝子順序関係の変異解析システム 現実の生物を計算機上でモデリングした人工生命に染色体を持たせ,人工染色体上の変異を解析する手法を開発した.具体的には,人工染色体における逆位(inversion),転移(transposition)などの遺伝子順序の変異過程のモデルを構築し,染色体構造進化のシミュレーションを行うことによって,分子進化が人工生命に与える影響を解析した.さらに,その解析結果を実際の生物の遺伝子配列順序の変異と比較することによって,現実の進化過程に対する知見を得た。
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