視覚系の運動視と物体視の両処理系の神経回路モデルの研究
Project/Area Number |
09780337
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Intelligent informatics
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
菊池 眞之 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 助手 (20291437)
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Project Period (FY) |
1997 – 1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1998: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 視覚系 / 神経回路モデル / アモーダル補完 / 動き知覚 / binding problem / aperture problem / T-Junction / 遮蔽 |
Research Abstract |
本研究では今年度は以下の2つについての研究成果を得た. 1. アモーダル補完・奥行き情報復元の神経回路モデルの構成 3次元空間中の複数物体は2次元網膜に投影される段階で重なりあう像となることが多いが,このような状況下でも人間はアモーダル補完と呼ばれる脳内の過程により,遮蔽されたパターンの知覚を行っている.本研究ではカニッツアが心理学的に示したアモーダル補完の局所的連続性保持の原理を基に,被遮蔽物体輪郭の補完の神経回路モデルを構成した.また,T-junctuonの与える相対奥行き手がかりを基に重なり合った各パターンの相対的奥行き情報を復元するメカニズムについても研究した.コンピューターシミュレーションで複数の重なり合う2次元パターンが呈示されると、モデルはパターンの輪郭の被遮蔽部を補完し,各パターンの相対的奥行きを復元できることを確認した. 2. 遮蔽された物体の動き知覚に関する心理実験および神経回路モデルの構成 遮蔽状況の生じている2次元パターンの全体運動の検出に関し,Lorenceauらは運動パターンを遮蔽するapertureのエッジが可視・不可視の条件で知覚のされやすさが大きく異なることを示した.我々はこれに関連し,運動図形を観測するapertureの数と知覚の関係について心理実験を行うと共に,これらの現象を説明する神経回路モデルを構成した.本年度はさらに運動視知覚特性を追求すべく,通常の2次元パターンの頂点である2つの線分の交点のみならず,ヒトデ状に,複数の線分の交わる点が遮蔽される場合を想定し,aperture数及び交点における線分どうしのなす角度と全体運動知覚の関係について心理実験を行い,新たな知見を得た.我々はこれらを考慮に入れた神経回路モデルを構成し,コンピューター・シミュレーションを行った。
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)