Project/Area Number |
09780401
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
社会システム工学
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Research Institution | Tokyo International University (1998) Tohoku University (1997) |
Principal Investigator |
矢澤 則彦 東京国際大学, 商学部, 専任講師 (60250859)
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Project Period (FY) |
1997 – 1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1998: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 不動産価格 / 価格の幅 / 滞留分析 / 継続的取引 / 不動産実務の非効率性 / バイアス / 評価額 / 関数型 |
Research Abstract |
不動産物件の滞留分析(「不動産情報誌に何週続けて同じ物件が,値段を下げつつ,いかなる変遷をだどるか」といった時系列分析)により,以下の傾向があることがわかった。 (1) 理論上,効率性が達成されるとされる不動産価格の均衡値の選択幅(理論的なコア)の存在を知りつつも,そこから逸脱した価格付けをする不動産業者の業態は「継続的に取引できる効用」に支配された,他産業には類を見ない,不動産業独自の行動と考えられ,たとえそれが,限界費用以下の価格付けであっても,物件紹介の報酬を確実に得ようとする戦略的な行動となり,結果として非効率な状況(価格が均衡価格に収束しない状況)が誘発される。 (2) 「薄利であっても営業活動を途絶えさせないことから得られる効用」を選択してしまう不動産業者の行動習性が引き金となって,本来は効率的資源配分となるべきはずの価格(帯)幅を増幅させてしまうといった「不動産実務に内在する非効率性」が発生している。 以上の傾向は,不動産市場が(不動産市場の機能が)効率的・非効率的かに拘わらない,また,取引主体が危険回避者か危険愛好者かに拘わらない,不動産業者固有の行動であることがわかった。これは「不動産業における実務の非効率性」と理解できる。 昨今の「不動産流通機構」の存在意義として,市場の価格情報取得の迅速化があげられる。しかし,その情報自体は当該研究で判明したような,コンベンショナルな業態・手法に支配されており,不動産流通市場は不完全かつ不安定な形態を呈し続ける可能性があるといえる。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)