ヘリコン波励起型反応性高密度金属原子混合プラズマの開発と超硬質薄膜合成への応用
Project/Area Number |
09780435
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
プラズマ理工学
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
節原 裕一 大阪大学, 接合科学研究所, 助手 (80236108)
|
Project Period (FY) |
1997 – 1998
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
|
Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1998: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
|
Keywords | 活性化反応場 / ヘリコン波励起プラズマ / 反応性高密度プラズマ / 金属原子混合プラズマ / 超硬質薄膜 / 窒化炭素 / 立方晶窒化ホウ素 |
Research Abstract |
ヘリコン波励起による反応性高密度プラズマ源の開発に主眼をおいて実施した初年度の成果をもとにして、本年度は物理蒸着系を構成することにより、窒化物系超硬質薄膜の合成実験を行い、合成した薄膜の組成・構造とブラズマ特性との相関について検討を行った。 まず、ヘリコン波励起プラズマの生成には3ターンの方位角モードm=0アンテナを使用し、負バイアスを印加したターゲットを配置することにより、金属原子をプラズマスパッタリングにより供給することが可能な物理蒸着系を構成した。ヘリコン波が励起されている高密度モードのプラズマ中では、毎分90nm程度の成膜速度で薄膜合成が可能であることが示された。 ついで、上記の物理蒸着系を用いて主として窒化炭素薄膜の合成実験を行い、化学量論組成比(N/C=4/3)の達成を第一目標に置いて研究を行った。ラザフォード後方散乱法を用いて薄膜の組成分析を行ったところ、原子状窒素の生成密度の高い条件で成膜するほど膜中の窒素組成比は向上し、最も高い値は目標値である化学量論組成に非常に近いN/C=1.3のものが得られることが明らかとなった。化学結合状態についてX線光電子分光法により調べた結果、窒素組成比の向上とともに膜中のCN結合の割合が増加することが明らかとなった。薄膜の硬度について評価を行ったところ、基板への負バイアスの印加により20GPa程度の硬度を示す試料も得られたが、目標値に比べると低い値に止まっていることがわかった。このため、薄膜の結合相手ならびに微細構造の制御とともに水素等の不純物の影響について、今後の検討課題としてさらなる研究が必要である。 さらに、ヘリコン波プラズマをはじめとする誘導結合型放電において重要となる、内部アンテナを用いたプラズマ生成と金属スパッタリングについても実験を行い、高周波電力給電方式の最適化により静電結合の抑制が可能であることが示された。
|
Report
(2 results)
Research Products
(6 results)