ECRプロセスプラズマーの一様性における電磁波動の役割
Project/Area Number |
09780439
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
プラズマ理工学
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
上田 洋子 九州大学, 大学院総合理工学研究科, 助手 (70274529)
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Project Period (FY) |
1997 – 1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1998: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Keywords | 大口径一様ECRプラズマ / ECRプラズマ源 / R波(右廻り偏波) / L波(左周り偏波) / X波(異常波) / ホイッスラ-波 / 異常波 / ホロー型電子密度分布。 |
Research Abstract |
低ガス圧力(0.1-10mTorr)で高い電子密度(10^<11-12>cm^<-3>)のプラズマが得られる電子サイクロトロン共鳴(ECR)プラズマはエッチング等のプロセスに不可欠であり,現在量産ラインで多く使用されている.しかし低コスト化の為にはプラズマの一様性の制御と大口径化が求められる.上記の様に他のプラズマ源にはない利点をもつECRプラズマであるが,その一様性は実験条件に依存して変化することが分かっており,プロセスの結果に影響を及ぼす.これらを制御するにはプラズマ中の電磁波の振る舞いを理解し,実験条件をどのように変えると一様な分布が得られるかを知る必要がある.今年度は,波動の振る舞いの空間構造,及びプラズマ周辺領域の一様性への影響を調べるために2次元駆動装置を用い,以下の成果を得た. 1 磁気ミラー型プラズマ発生装置(内径29cm)に周波数2.45GHz最大入力パワー5kWのマイクロ波をTE_<11>モードで入射し,電子サイクロトロン共鳴によりプラズマを生成した. (1) 通常プロセスで使用される実験条件において密度の空間構造を測定した結果,石英窓付近では磁場配位に大きく影響されていることが分かった.磁場勾配が大きい場合にはプラズマの周辺部に径方向の幅数cmの低密度層が生じている. (2) プラズマ中の電磁波を干渉法により測定したところ,チャンバー中心では短波長のR波(右廻り偏波)が伝播しており,周辺の低密度層ではそれよりもかなり波長の長い電磁波が伝播していた.又,ある径方向の位置においてこれら短波長と長波長の混在した波形が,径方向の幅1cm内の領域で得られた.R波へのモード変換と思われる.この点と真空容器との間の低密度層には長波長の電磁波が伝播している.これらの一様性への寄与を調べるため,数値シミュレーションを行った. 2 京都大学福山淳教授により作成された有限要素法を用いたシミュレーションコードWF/TASKを用い,有限チャンバー内のプラズマを伝播する電磁波の2次元構造を調べた.その結果,周辺を伝播する長波長の電磁波がプラズマ周辺でパワー吸収を生じるのはある限られた条件(真空層の幅,形に対して)であることが明らかになった.この真空層の形は磁場勾配が変化するとそれに伴って変化することが考えられるので,過去に多く報告されている磁場配位依存性を説明する根拠となりうる.これからECRプラズマの一様性に最適な磁場配位を予め決定することが可能になると期待される.
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)