閉鎖地形における健全アカマツ・枯死アカマツの判定と枯死域の空間分布に関する研究
Project/Area Number |
09780479
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Environmental dynamic analysis
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
土谷 彰男 広島大学, 総合科学部, 助手 (00263632)
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Project Period (FY) |
1997 – 1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1998: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1997: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | アカマツ / 年輪 / 画像解析 / 晩材率 / 仮導管 / 盆地 / 接地逆転層 / 二酸化窒素 / 枯死率 / 年輪幅 |
Research Abstract |
本課題の目的の一つである広島県西条盆地の盆地内と盆地外の枯死アカマツ林の水平・垂直分布の違いとその原因については、米国の学会で発表し、国内誌に掲載した。もう一つの目的であるアカマツの枯死過程における年輪形成については、盆地内外で樹幹試料を採取し、年輪幅の時系列の長期変動と形成年輪の広狭にともなう仮導管細胞の形状の変化について考察した。約100年分の年輪をもつアカマツ個体の時系列パターンはそれぞれの地域内で酷似していた。盆地内では1960年代後半から1980年代前半にかけて生長の鈍化した時期があったが、盆地外の場合は明確なイベントはなく、生長量はほぼ常に盆地内を上回っていた。1925年を基点として樹幹半径を比べると、盆地内は盆地外に比べて1998年までの約4cmの差に達した。また、年輪幅を3年移動平均で規準化して、年輪幅インデックスで比較すると、両者はよく似ていた。地理的に近接しているため降水現象が似通っていたためと推察される。また、衰退期の振幅が大きくなっているという傾向が見られた。次に、盆地内の試料を用いて低生長期と高生長期の晩材率と早晩材仮導管の形状を比較した。仮導管直径が早晩材で異なり、年輪幅の広狭によって仮導管配列数が異なることは当然であるが、年輪幅の広い年には早材仮導管の直径に差が見れらない一方で晩材率が30%以上になり、年輪幅の狭い年に比べて大径の晩材仮導管が形成されるという結果になった。これは、早材形成期には仮導管の形状に差は現れないが、晩材形成期になって仮導管の生長に差が生じることを意味している。このことから環境ストレスによる影響は晩材形成期に現れるということが示唆された。今後、生理的なパラメーターとの比較や、アカマツの衰退によって生長を加速させている広葉樹の年輪組織の研究に取り組みたい。
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Report
(2 results)
Research Products
(7 results)