Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 1998: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
|
Research Abstract |
本年度の実績は,次の2つに大別できる. 1) 地上からの大気エアロゾル観測. 2) 衛星データに基づく大気エアロゾル特性全球分布作成とその季節変化調査. 1)の地上観測は,陸(近畿大学上空)を中心とし,偏光及び光学的厚さの測定を行った.また,解析時に必要となる観測時における気象データに関しても,同時収集を行なった. 2) 1)の解析システムを応用し,宇宙開発事業団より打ち上げられた,みどり(ADEOS)衛星搭載の偏光センサー(POLDER)データ処理用のシステムを作成した.センサー稼働期間の1996年11月から1997年6月のうち,季節変化の見込まれる1996年11月,1997年1月,4月の全観測データについて解析を行なった.解析結果を用い,各月における大気エアロゾル指標である光学的厚さ(Optical Thickness of Aerosols)とオングストローム指数(Ångstrom Exponent)の全球分布図を作成した.その結果,場所,季節による大気エアロゾル指標に大きな違いが見られた.具体的には,冬季の11,1月においては,アフリカ西岸から大西洋にかけて,サハラ砂漠起源のエアロゾルの吹き出しを導出できた.また、4月のアジア地域においても,ゴビ砂漠,タクラマカン砂漠起源である黄砂粒子によるエアロゾル粒子の飛来が明瞭に導出できた.これらは,他研究者が他センサーデータを用いて行なった解析結果とも一致し,精度良い広域エアロゾル特性分布図を作成できた.これらは気候変動モデルにおける地球大気放射収支計算,特に温暖化シミュレーションの精度向上のための基礎データとしても利用可能である.
|