Project/Area Number |
09780524
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Bioorganic chemistry
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
和田 猛 東京工業大学, 生命理工学部, 助手 (90240548)
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Project Period (FY) |
1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1998: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | アンチセンス核酸 / DNAアナログ / 保護基 / H-ホスホネートDNA / 水酸基選択的ホスホリル化 / ^<31>P-NMR |
Research Abstract |
核酸には水酸基、アミノ基、リン酸基といった種々の官能基が存在するために、化学合成に際してこれらの官能基に適当な保護基を導入しておく必要がある。特に、従来の核酸合成法ではアミノ基とリン酸基には塩基性条件下除去される保護基(ベンゾイル基やシアノエチル基など)が用いられているために、保護基の除去条件、すなわち塩基性条件下で分解してしまうような核酸誘導体は合成できなかった。本研究では、核酸のアミノ基およびリン酸基に保護基を導入することなく核酸分子を構築する新しい方法を開発することにより、これまで合成が不可能とされてきた種々の新規機能性核酸を合成することを目的とする。 まず、アミノ基とリン酸基を無保護で核酸分子を構築するために、核酸塩基に対する種々の活性リン化合物の反応を^<31>P-NMRを用いて調べたところ、アミノ基に副反応の起こらない水酸基選択的なホスホリル化反応を見い出すことができた。この方法はリン酸よりも酸化度の低いホスホン酸誘導体を出発物質として用いるために、インターヌクレオチドのリン原子に保護基を導入する必要がない。さらに、この方法で得られるH-ホスホネートDNAは種々のDNAアナログ(アンチセンス核酸)合成における有用な合成中間体であると同時にそれ自身が最も単純な構造をもつ新規アンチセンス核酸である。このH-ホスホネートDNAは、従来の核酸合成法では塩基部の保護基を除去するアンモニア処理で瞬時に加水分解されるためにこれまで単離することができないと考えられてきた。本研究では、塩基部無保護の核酸合成法を用いてH-ホスホネートDNAを初めて単離することに成功した。さらに、このH-ホスホネートDNAを種々の新規アンチセンス核酸に変換する反応を開発した。
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