マウスのDNAポリメラーゼα/プライマーゼ複合体を用いたDNA複製開始機構の解明
Project/Area Number |
09780584
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Functional biochemistry
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
水野 武 理化学研究所, 細胞生理学研究室, 研究員 (30281629)
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Project Period (FY) |
1997 – 1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1998: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | DNAポリメラーゼα / DNA複製 / プライマーゼ / 核移行シグナル / cDNA発現系 / DNA複製開始機構 / 一過性過剰発現 |
Research Abstract |
真核生物の染色体DNA複製のメカニズムを解明するために、マウスのDNAポリメラーゼα/プライマーゼ複合体(Pol.a)を標的とし、Pol.αの4つのサブユニット(p180,p68,p54,p46)の機能解析に取り組んだ。動物培養細胞を用いたcDNA発現系を用いることでp54のN末端とp180のC末端に核移行シグナルが存在し、サブユニット間の特異的な組合せ、p46とp54、p68とp180、が核への移行に重要であることを見出した。さらに機能不明であったp68がp180の効率的な翻訳に重要であることを見出した。これらのサブユニット間の相互作用をさらに明らかにするために、3つ、或いは4つのサブユニットの同時発現を試みた。ポリオウイルス由来のintemal ribosome entry siteを用いて、複数のcDNAを同時に発現し得る発現プラスミドを構築し、COS-1細胞へ一過性過剰発現させた。その結果、p46はp54を介してpl80に結合すること、p68はp180を介してp46:p54に結合することが明らかになった。さらに、pl80のC末端領域に位置する亜鉛フィンガーモチーフがp68との相互作用に必須であることを見いだした。この亜鉛フィンガーモチーフとp68との相互作用は翻訳中もしくは翻訳直後で生じていることも同時発現により示された。一方、p46:p54もp180のC末端領域(1279-1465アミノ酸)と相互作用することが判明したが、その相互作用には亜鉛フィンガーモチーフは必要ではなく、結合様式が異なることが示された。以上の結果から、p180のC末端を中心とした4つのサブユニットの分子構築に関するモデルを初めて提示することができた。また、Pol.αの生合成過程として、まずpl80が翻訳され、翻訳中或いはその直後にp68が結合し、その後、細胞質中でp46:p54ヘテロダイマーが相互作用することでヘテロテトラマーが形成され、核へ移行するというモデルを提示することができた。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)