血管内皮細胞の傷害性刺激に伴って発現量が増加する新規遺伝子産物RTPの機能探索
Project/Area Number |
09780590
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Functional biochemistry
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Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
小亀 浩市 国立循環器病センター研究所, 病因部, 室員 (40270730)
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Project Period (FY) |
1997 – 1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1998: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Keywords | 血管内皮細胞 / ホモシステイン / リゾフォスファチジルコリン / 血栓症 / 動脈硬化 / 遺伝子発現 / RTP / 細胞傷害 |
Research Abstract |
動脈硬化や血栓症には、血管内皮傷害が大きく関与している。最近我々は、ヒト血管内皮細胞において、内皮傷害誘導物質として知られるホモシステインと動脈硬化促進物質として知られるリゾフォスファチジルコリンで共通に発現誘導される未知遺伝子1種を発見した。この遺伝子は新規蛋白質(RTPと命名)をコードしているが、その生理機能は不明である。そこで本研究では、機能解明を最終目的として設定し、RTPの生物学的諸性質を解析した。(1) RTP特異的抗体の作成とそれを用いた解祈まず、大腸菌に発現させたRTP-GST融合蛋白質でウサギを免疫し、RTP特異的抗体を作成した。ウェスタンブロット解析を行った結果、RTPは約47kDa蛋白質であり、ホモシステイン刺激した細胞での発現量増加が確認された。さらに、RTPは培養細胞の細胞質に局在することが判明した。この存在様式は細胞の刺激受容に依存せず、RTPは恒常的に細胞質全体に分布することが示唆された。(2) RTPのリン酸化抗体を用いた解析から、RTPはリン酸化されていることを示唆するデータを得た。これを検証し、プロテインキナーゼAがRTPを生理的基質とすること、他のキナーゼも関与することを明らかにした。(3) RTP相互作用蛋白質の探索RTPと相互作用する蛋白質を探索するため、Yeast 2-Hybrid Systemを行った。RTP発現量の多い組織である腎臓のcDNAライブラリー1.1×10^7クローンをスクリーニングした結果、1陽性クローンが得られた。現在、その解析を進めている。(4) RTP発現と病態との関連免疫組織化学的解析から、RTPは腎臓の近位尿細管や小腸絨毛で著しく発現していることがわかった。そこで、種々の病態を示す腎臓を正常腎臓と比較し、病変悪化に伴ってRTP量が増加することを見出した。 以上の成果から、未だRTPの機能解明という目標には達していないものの、RTPに関する多くの貴重な知見が得られた。なお、本研究の一部を記述した論文をJ.Biol.Chem.誌に投稿し、現在再審査を受けているところである。
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Report
(2 results)
Research Products
(12 results)