Project/Area Number |
09780597
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Biophysics
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
濡木 理 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (10272460)
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Project Period (FY) |
1998 – 1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1998: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | トランスファーRNA / アミノアシルtRNA合成酵素 / 蛋白質合成 / 校正反応 / X線結晶構造解析 |
Research Abstract |
イソロイシルtRNA合成酵素とアミノ酸との復合体のX線結晶構造解析析 イソロイシルtRNA合成酵素(IleRS)は、基質であるL-イソロイシンと良く似たL-バリンを誤って認識しVal-AMP、Val-tRNAIleを合成してしまうが、一方でtRNAIleの結合に依存して、これらの誤産物を加水分解することにより、アミノアシル化反応の誤りを校正する。我々は、高度好熱菌IleRSとL-イソロイシンおよびL-バリンの複合体の結晶構造を2.5A分解能で解明し、IleRSはRossmann foldからなる触媒ドメイン上の第1の活性部位でイソロイシンおよびバリンを同様に活性化した後、この触媒ドメインに挿入された校正ドメイン(βバレル構造)上の第2の活性部位でバリン産物を加水分解することにより、イソロイシンとバリンを識別していることが明らかになった。さらに、IleRSの変異体解析の結果は、上記のメカニズムを強く支持した。 アルギニルtRNA合成酵素のX線結晶構造解析 高度好熱菌由来アルギニルtRNA合成酵素(ArgRS)の高分解能結晶を得て、播磨SPring8のシンクロトロン放射光を用い、1.8Å分解能のデータ収集に成功した。さらに、重原子同型置換法により位相決定を行い、解釈可能な電子密度図の導出し、ArgRSの結晶構造を1.8Å分解能で決定することに成功した(R因子は23%)。その結果、.ArgRSの構造は、サブクラスIaのアミノアシルtRNA合成酵素の構造1を骨格にして、これに特異的なtRNAの認識に必要な、特徴的なドメインが付加されたものであることが明らかになった。 バリルtRNA合成酵素とtRNA、バリルAMPアナログとの3重複合体のX線結晶構造解析 高度好熱菌由来バリルtRNA合成酵素(ValRS)とtRNA、バリルAMPアナログとの3重複合体に関して、播磨SPring8のシンクロトロン放射光を用いて、2.8Å分解能のデータ収集に成功した。さらに、重原子同型置換法により位相を決定し、解釈可能な電子密度図の導出に成功した。ValRSにもIleRSと良く似た校正機構があり、そのメカニズムに関して興味深い知見が示唆されており、現在モデルの構築を急いでいる。
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