Project/Area Number |
09780601
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Biophysics
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
高橋 浩 名古屋大学, 工学研究科, 助手 (80236314)
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Project Period (FY) |
1997 – 1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1998: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Keywords | 生体膜 / リン脂質 / 糖 / 低温環境 / X線回析 / 熱測定 / X線回折 |
Research Abstract |
生体高分子と水との相互作用の問題は、生命現象を分子レベルで理解するうえにおいて、最も基本的で普遍的なものである。生体高分子が秩序構造をとるためには、水分子の存在は不可欠である。さらに、生物の低温耐性の機構を考えるうえでは、生体高分子の周りの水分子の凍結についての解析・考察することが重要である。この様な観点から、本課題では、リン脂質より成るモデル生体膜を用いて、膜系における氷形成とそれに伴う脱水和の現象について研究を行ってきている。 本年度は、昨年度に引き続きリン脂質としてdimyristoylphosphatidylethanolamine(DMPE)を用いて、.その多重層膜ベシクルの氷形成および脱水和に伴う構造変化と熱測定のデータの相関関係を定量的に調べた。その結果、DMPE多重層膜ベシクルにおいて氷点下の0度から-40度までの温度範囲で観察される熱異常のエンタルピーの一部は、氷融解によるものでなく、何らかのリン脂質の構造変化に由来することが分かった。現時では、その変化は極性頭部の構造変化であると考えている。 ある種の生物は、細胞内の糖の濃度を高めることで、低温耐性を獲得すると考えられている。低温によって生じる氷形成および脱水和に対して糖がどのように影響するかを調べることも本課題の目的である。 昨年の研究により、糖であるトレハロースが水溶液中に存在すると、ジアルキルリン脂質の指組構造を不安定化することを見出したが、本年度実施した研究により、トレハロース以外でもスクロース、ラクトース、さらに糖アルコールであるソルビトールでも同様な効果を持つことを確かめられた。
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